高性能レオメータ：
MCR 703

Name: 高性能レオメータ：MCR 703 MultiDrive
Brand: Anton Paar

モデル:

比類のない多彩な運転モードを搭載した高性能レオメータ
最高精度で高度な研究をサポート
カウンター回転駆動モードで材料特性評価の新境地へ
ねじり、引張、曲げ、圧縮モードのDMA
研究開発に無限の可能性をもたらす200種類以上のアクセサリー

主な機能
技術仕様
標準規格
関連製品
補完製品

MCR 703 MultiDriveとMCR 703 Space MultiDriveは、現在入手可能なレオメータの中で最も汎用性が高く、先進的なレオメータです。MCR 503 の全標準機能に加え、下部ドライブユニットを追加搭載することが可能です。2個のトルクセンサとドライブユニットを同時に使用したレオロジー試験を実施できるため、研究の可能性が大きく広がります。試験モード、測定治具、アクセサリー、温度制御システム、測定精度に関する制限はありません。また、MCR 703 Space MultiDriveは作業スペースを最大化しているため、アクセサリーや追加装置を簡単に使用できます。

主な機能

1台のレオメータであらゆる粘弾性測定モードに対応

高度な測定精度を求める方に最適なレオメーターです。2個のドライブユニットを組み合わせることで、複合モータートランスデューサー（CMT）モードとセパレートモータートランスデューサー（SMT）モードの両方でレオロジー測定が可能です。CMTモードでは、エアベアリング式ECモーター1個を使用し、モーターのリアルタイム位置制御（TruStrain）を最大限に活用して「従来型」の応力制御試験を実施できます。SMTモードでは、一方のモーターをトルクセンサとしてのみ使用し、もう一方を駆動ユニットとして使用することで、最も純粋な測定結果を得ることができます。応力緩和、起動時のせん断測定、広範囲な周波数での振動試験といった過渡的な領域においても最適なレオメータです。

* 測定
** 駆動

材料特性評価の新境地へ

この高性能レオメータは、カウンター回転駆動モードで両方のエアベアリング式ECモーターを駆動ユニットとしてだけでなく、逆方向に動くトルクセンサとしても使用します。例えばサンプル内に固定された停滞面を形成し、顕微鏡で可視化しながら、測定全体を通じて高度な構造解析を行うことができます。このモードとユニバーサル伸長測定治具と組み合わせると、最小測定トルクでの、またヘンキーひずみが8を超える、従来では達成できなかった伸長率の引張試験も可能となります。この高性能レオメータは、こうした機能によってひずみ硬化のより包括的な特性評価を実現します。カウンター回転モードでは、回転速度は単純に「倍」になり、最大速度差6,000 rpmに達します。

ねじり、引張、曲げ、圧縮などのモードでのDMA

MCR 703は単なる回転レオメータの枠を超え、動的粘弾性測定（DMA）にも対応する多機能で高性能なレオメータです。下部回転ドライブをリニアドライブに交換することで、三点曲げ、カンチレバー、パラレルプレートなどの測定治具を用いた曲げまたは圧縮モードのDMAを実施できます。さらに、フィルム、繊維、短冊状や円柱状サンプル用の測定治具と組み合わせることで、リニアドライブを用いた引張モードのDMAを実施できる一方、上部回転ドライブはねじりモードのDMAに使用できます。これにより、単一の試験定義内で単一試料に対する軸ねじりモードのDMAが可能となり、ポアソン比の測定や、異方性材料の方向依存性に関する迅速な特性評価が実現します。

従来では考えられなかった応用分野

MCR 703 Space MultiDriveは、当社のフラッグシップモデルであるMCR 703 MultiDriveの卓越した性能をさらに進化させたレオメータです。あらゆる種類のレオロジー測定法や複合測定法に対応するため、独自のモジュール性、柔軟性、自由度、機能性を実現した設計になっています。MCR 703 Space MultiDriveはオープンな装置設計により作業スペースを最大限に確保しており、高度な材料特性評価（例：共焦点顕微鏡法とレオロジー測定の同時実施）のために、さまざまな外部装置を接続することができます。さらに、このレオメータは電子部品ボックスが独立しているため、限られたスペースやラボ用グローブボックス内での設置が可能となりました。不活性ガス（窒素、アルゴン）雰囲気下での使用（例：一定の危険レベルを有するサンプルの高温測定時）にも対応しています。

200種類以上のアクセサリー

MCR 703 MultiDriveとMCR 703 Space MultiDriveは、アントンパールのMCRシリーズで認識可能なものであれば、あらゆる測定治具、温度制御システム、アプリケーション専用アクセサリーと組み合わせ、レオロジーの標準的な分析から高度な分析まで実施することができます。この試験プラットフォームは、レオロジーやDMAだけでなく、粉体レオメータ、トライボメーター、万能試験機としても利用できます。Toolmaster機能により、接続された全装置と測定治具を自動的に認識、設定します。また、QuickConnect機能により、測定治具を片手で接続することができます。このモジュール性により、当社の高性能レオメータは高い柔軟性を実現しており、お客様のニーズに合わせて簡単に構成を変更できます。

技術仕様

	MCR 703 MultiDrive MCR 703 Space MultiDrive
	ECモーター1個の構成	ECモーター2個の構成
ベアリング設計	空気、微細孔カーボン
モーター設計	電子整流式（EC）永久磁石同期モーター
変位変換器	高分解能光学式エンコーダ
法線力測定設計	360 °容量センサ、非接触、ベアリングに完全統合
運転モード	CMT	CMT、SMT、カウンター回転駆動¹⁾
最小トルク（回転）	1 nNm	1 nNm
最小トルク（振動）	0.2 nNm	0.2 nNm
最大トルク	230 mNm	230 mNm
トルク分解能	0.05 nNm	0.05 nNm
偏向角分解能	<1 nrad
最小角速度²⁾	0 rad/s
最大角速度/最大速度	314 rad/s 3,000 rpm	628 rad/s 6,000 rpm
最小周波数³⁾	2x10^-8 Hz
最大周波数	200 Hz
法線力範囲	0.001～50 N
ギャップ分解能	0.0625 µm
TruStrain	〇	〇
ねじり、曲げ、圧縮モードのDMA測定	〇	〇
軸ねじりモードのDMAに対応⁴⁾	〇	〇
モーターのアクティブ熱管理	〇	〇
温調システムサポートプレート⁵⁾	〇	〇
寸法（幅×高さ×奥行）	MCR 703 MultiDrive：453×775×673 mm MCR 703 Space MultiDrive：300×775×584 mm 電子部品ボックス：333×231×576 mm
重量	MCR 703 MultiDrive：50 kg MCR 703 Space MultiDrive：52 kg 16 kg	MCR 703 MultiDrive：60 kg MCR 703 Space MultiDrive：62 kg 16 kg

^{商標：RheoCompass（917 7015）、MultiDrive（16731581）、TwinDrive Rheometry（7081128）、SmartPave（16731556）、T-Ready（9176983）、Toolmaster（3623873）、TruRate（9176967）、TruRay（15273915）、TruStrain（9176918）}
^{特許：米国特許8453496、9766172、9574983、10908058、8132445、10031057、9702809、オーストリア特許513661、ドイツ特許102015100714}

^{〇搭載 | △ オプション | × 非搭載}

^{1) 米国特許8453496}
^{2) せん断応力制御（CSS）モード使用時。せん断速度制御（CSR）モード使用時は測定点の継続時間とサンプリングレートにより異なる。}
^{3) 理論値（1サイクルあたりの継続時間が2年）。}
^{4) 米国特許9574983および米国特許10908058。}
^{5) MCR 703 Space MultiDrive：レオメータ支持板の下および装置の両側に作業スペースを最大限確保した独自設計}