粒子特性評価

粒子特性評価

粒子解析の新たな展望

粒子の理解を深めれば深めるほど、材料の挙動をより正確に予測・最適化することができます。現在の競争が激しい市場においては、重要なパラメータに関する粒子特性の正確な評価が、優れた成果を得るために不可欠です。 

アントンパール社が提供する粒子特性評価の製品ラインナップは、世界中で最も包括的・網羅的なものとなっています。どの業界に属していても、弊社の高度な粒子特性評価装置により、材料を改良・最適化するために必要なパラメータを正確に測定することが可能です。

粒子特性評価ソリューション

測定項目を選択
装置 測定原理 測定項目・技術
Autosorb Series
  • ガス吸着(物理吸着、化学吸着)
比表面積、細孔径
細孔径範囲 0.35~500 nm
BET表面積
絶対面積の検出限界:0.1 m²(N2 77K)
比表面積の検出限界:0.01 m²/g(N2 77K)
活性面積
絶対面積の検出限界:0.03 m²(Platinum 313 K上のH2)
比表面積の検出限界:0.003 m²/g(Platinum 313 K上のH2)
Ultratap 500 and Ultratap 500 Twin
  • タップ密度
(かさ)密度、粉体の流動特性
ChemBET Pulsar
  • ガス吸着(化学吸着)
反応面積
FloVac Degasser
  • 真空、フロー脱気
サンプル前処理
iSorb
  • 高圧、ガス吸着
ガス貯蔵量
Litesizer DIA Series
  • 動的画像解析法
粒子径、粒子形状
粒子径範囲
0.5~16,000 µm
Litesizer DLS 101
  • 動的光散乱法
粒子径
粒子径範囲
0.3 nm~10 µm
Litesizer DLS 501
  • 動的光散乱法、電気泳動光散乱法(ELS)、静的光散乱法(SLS)
粒子径、ゼータ電位
粒子径範囲
0.3 nm~12 µm
Litesizer DLS 701
  • 動的光散乱法、電気泳動光散乱法(ELS)、静的光散乱法(SLS)、多角度粒子径測定(MAPS)、粒子濃度
粒子径、ゼータ電位
粒子径範囲
0.3 nm~12 µm
MCR Powder Flow Cell
  • 複数の粉体流動性の測定法、レオロジー
粉体の流動特性、エンベロープ密度
粒子径範囲
5 nm~5 mm
MCR Powder Shear Cell
  • せん断試験
粉体の流動特性、密度
NOVA 600/800
  • ガス吸着
比表面積、細孔径
細孔径範囲
0.35~500 nm(直径)、1.1~500 nm(N2使用時)、
0.35~1.1 nm(CO₂使用時)、
測定可能な最小比表面積 0.01 m²/g
PoreMaster series
  • ポロシメトリー
細孔径
体積範囲
0.05 cc
細孔径範囲
1,100~0.0064 µm
Litesizer DIF 500

Litesizer DIF 500

製品詳細を表示
お問い合わせ
  • レーザ回折・散乱法
粒子径
粒子径範囲
0.01~3,500 µm
SAXSpace
  • SAXS、WAXS、GISAXS
粒子径、粒子形状、内部構造
粒子径範囲 / 細孔径範囲
<1 nm~105 nm(qレンジ(Cu K-alpha):0.03~41 nm⁻¹)
SAXSpoint 500 and 700

SAXSpoint 500、SAXSpoint 700

製品詳細を表示
お問い合わせ
  • SAXS、WAXS、GISAXS
粒子径、粒子形状、内部構造
粒子径範囲 / 細孔径範囲
<1 nm~>300 nm(qレンジ(Cu K-alpha):0.01~41 nm⁻¹)
Ultrapyc 3000
  • ガスピクノメーター法
(真)密度
4~135 cm³
Ultrapyc 5000
  • ガスピクノメーター法
(真)密度
4~135 cm³
Ultrapyc 5000 Foam
  • ガスピクノメーター法
(開)気孔率
4~135 cm³
Ultrapyc 5000 Micro
  • ガスピクノメーター法
(真)密度
0.25~4.5 cm³
XRDynamic 500
  • XRD、SAXS、WAXS
粒子径、相純度、結晶構造
結晶子サイズ 5~500 nm
相分率 >0.1%

粒子特性評価とは何か、なぜ重要なのか

粒子特性評価は、食品、製薬、建築などの業界を問わず、業界規格を満たし、絶対的な安全性と信頼性を確保する上で中心的な役割を果たします。 

アントンパールでは、粒子径、細孔径、粒子形状、内部構造、ゼータ電位、表面積、反応面積などを正確に測定できる粒子特性評価装置を幅広く提供しています。

粒子特性評価とは何か

粒子とは、ナノメートルからミリメートルまでの大きさの固体、液体、さらには気体ベースの物質を指します。粒子特性評価では、以下のような重要な特性を評価することができます。

サイズと分布:粒子がどのような大きさで存在し、物質内でどのように分布しているかを理解することは、流動性、反応性、製品全体の安定性などの特性に影響を与えます。

形状:粒子の形状は、さまざまな条件下での挙動に影響し、コーティング剤、触媒、医薬品などの用途における製品性能に影響を与えます。

表面積:表面の露出量は、粒子同士や他の物質との相互作用に影響を与えます。これは、溶解、反応性、吸収などのプロセスにおいて特に重要です。

ゼータ電位:表面電荷の尺度として、懸濁液中での粒子の安定性を予測することができます。これは、コロイド化学や懸濁液の調合において極めて重要です。

気孔率:粒子が液体や気体をどのように吸収するかを決定するもので、ろ過や触媒などの分野に影響を与えます。

どのような粒子特性評価があるのか

粒子特性評価では、さまざまな分析技術を利用して、材料中の粒子の物理的特性を理解し、定量化します。各手法は、医薬品から化粧品、先端材料に至るまで、さまざまな産業において製品の品質、性能、安全性を最適化する上で不可欠な独自の情報を提供します。 

以下に、粒子特性評価の主な種類を挙げます。 

1. 粒子径分析

最も基本的な測定のひとつである 粒子径分析は、サンプル内の粒子の分布を測定します。これは、生産・応用プロセスにおける粒子の挙動を理解する上で極めて重要です。一般的な手法として、 レーザー回折、 動的光散乱法(DLS)、ふるい分けなどがあります。

2. 粒子の形状と形態

粒子の形状は、流動性、充填性、表面積などの材料特性に影響を与えます。形状を理解することは、製薬のような産業では特に重要です。このような産業では、有効成分の形態が薬物の溶解度やバイオアベイラビリティに影響を与えます。イメージング技術(光学顕微鏡、SEM)や自動画像解析などがあります。

3. 表面積・細孔径分析

触媒、吸着剤、医薬品など、表面相互作用が鍵となる粒子では、表面積と気孔率が重要なパラメータとなります。BET表面積分析は、これらを測定するための重要な手法です。

4. ゼータ電位分析

ゼータ電位は粒子表面の電荷を測定するもので、懸濁液中での安定性に直接影響します。これは、乳濁液、懸濁液、コーティング剤などを調合する上で非常に重要です。分析方法には、電気泳動光散乱法(ELS)などがあります。

5. 固体密度分析

固体密度を理解することは、特に懸濁液や乳濁液など、所定の媒体中での粒子の挙動を決定するのに役立ちます。ガスピクノメトリーやタップ密度分析などの手法があります。 

6. 粉体の流動特性とレオロジー

医薬品、化学薬品、食品など、バルク粉体を扱う業界では、粉体の流動特性が生産に大きな影響を与えます。粒子径、形状、表面テクスチャーはすべて、加工中の粉体の挙動に影響します。粉体流動特性分析装置は、この種の分析に特に有用です。

粒子特性評価を利用すべき場面

粒子特性評価が欠かせない重要な場面をいくつかご紹介します。

1. 製品開発とイノベーション

研究開発段階において、材料中の粒子の挙動と特性を理解することは、希望する仕様を満たす製品を生み出すのに役立ちます。粒子径、形状、表面積、気孔率はすべて、医薬品から高度な複合材料まで、材料の性能に影響します。 

2. 品質管理と一貫性

メーカーにとっては、バッチ間の一貫性を維持することが非常に重要です。粒子特性のわずかなばらつきでさえ、製品の性能、安定性、貯蔵寿命に大きな違いをもたらす可能性があります。 

3. プロセスの最適化

食品製造から製薬まで多くの産業において、粉体や粒子の流動性、溶解性、圧縮性は製造工程に大きな影響を与えます。 

4. トラブルシューティングと問題解決

生産または製品性能に問題が生じたとき、粒子特性は、粒子径の不一致、ゼータ電位の変化、表面積または多孔性が吸着にどのように影響しているかなど、根本的な原因を特定するのに役立ちます。

5. 法規制遵守

多くの産業では、材料の物理的特性に関して厳しい規制要件が課されています。例えば医薬品では、有効成分のサイズ、形状、表面積が、薬物のバイオアベイラビリティや有効性に影響を与えることがあります。 

6. 環境と安全への配慮

粒子特性評価は、大気の質を効果的に監視し、化粧品や工業用途に使用されるナノ粒子の安全性を評価し、鉱業、建設、農業などの産業における粉塵の危険性をコントロールすることで、材料が労働者、消費者、および環境にとって安全であることを保証できます。

粒子特性評価にアントンパールを選ぶ理由

アントンパールの幅広い粒子特性評価のポートフォリオでは、すべての装置に共通する特徴があります。それは、市場をリードする品質です。 

アントンパールの専任の科学者チームは、ユーザーと緊密に連携して粒子特性評価ソリューションを開発しており、多孔質材料や粉末の測定に最適なソリューションを提供しています。

業界リーダー

20世紀半ばから粒子特性評価のエキスパートとして、アントンパールのソリューションは、信頼性が高く、正確で、トレーサブルな測定の道を切り開き続けています。

複数パラメータの測定

測定パラメータは、粒子径、細孔径、粒子形状、内部構造、ゼータ電位、表面積、反応面積、密度、粉体流動性、相純度などを調べます。

1社のプロバイダーの装置ポートフォリオ

アントンパールの粒子特性評価ポートフォリオは、1社のサプライヤーで得られるものとしては世界で最も幅広いポートフォリオです。この分野における数十年の専門知識を活用し、信頼できる1か所の窓口であらゆる測定ニーズに対応できる利便性をお楽しみください。

3年保証

アントンパールのすべての粒子特性評価装置には、購入後3年間の無償修理が付いており、不測の事態によるコストの発生を防ぐことができます。必要なときにいつでも世界中でサポートを受けることができます。

粒子特性評価アプリケーション

造粒と乾燥:打錠の課題

錠剤は医薬品有効成分(API)と、粉体処理と剤形の品質を向上させる賦形剤で構成されています。これらはいずれも、造粒・乾燥工程における適切な装置パラメータと粉体の取り扱いに左右されます。 

このアプリケーションレポートでは、湿式造粒中の挙動を予測するために、粉砕およびふるい分けした乳糖およびメチルセルロースの吸湿能力を検証しています。また、賦形剤をさまざまな温度で試験し、流動層乾燥機の効果をシミュレーションしました。その結果、造粒中の水分吸着とその後の乾燥が、粉末の流動性と圧縮特性に影響を与えることが分かりました。

アプリケーションレポートを読む

触媒の特性評価

反応前と使用後の触媒の特性評価を行うと、触媒工程の有効性と効率に関する重要な情報が得られ、今後の触媒設計の指針となります。この場合に最も重要なパラメータは、細孔径、細孔容積、活性表面積、粒子径、固体表面の酸性度、流動挙動、凝集特性です。

このアプリケーションレポートではこれらすべてのパラメータに関する知見が、触媒の開発と品質管理にどのように貢献しているのかを紹介しています。パラメータは、アントンパールの粒子特性評価装置を用いた実験で得られたものです。

アプリケーションレポートを読む

食品の特性評価

食品粉体の配合、製造、パッケージ工程では、消費者の安全性とロイヤルティを確保するためにバッチ間で一貫性を保つ必要があります。アントンパールの粒子特性評価装置を用いた測定で得られる密度、粒子径、凝集力、圧縮性、透過性などの情報は、食品粉体の品質と一貫性に重要な役割を果たしています。 

このアプリケーションレポートでは粉乳と中力粉を取り上げています。これらは、単独で広く普及している製品でもあり、多くの食品や栄養補助食品の重要な原料でもあります。

アプリケーションレポートを読む

金属粉末の特性評価

金属粉末は、付加製造のような粉末冶金作業において、その特性が高い製品品質を保証するため、不可欠な材料です。一般的な分析手法としては、粉体粘弾性測定、動的光散乱法、BET法、密度測定などがあります。 

このアプリケーションレポートでは、これらの補完的な手法を用いて、流動性、多孔性、圧縮性、充填密度、サイズ分布を評価する方法について説明しています。粒子特性評価装置を使用して金属粉末の特性を評価することで、生産時の円滑な流動を確保し、焼結製品の安定性を維持し、前のバッチで余った粉末の再利用可能性を判断することができます。

アプリケーションレポートを読む

お客様の粒子特性評価をアップグレードし、将来に向けて耐久性のあるシステムを構築できます。

ぜひお問い合わせください