世界屈指の測定が行われるビール

2018-08-02 | Corporate

醸造において、適切な直感は不可欠です。しかし、醸造プロセスの各ステップでは、コントロールと精度が重要です」と、Gebhard Sauseng及びDaniel Goreは同じ意見を示しています。SUDHAUSのこの2人の醸造者は、アントンパール社の古参の従業員であるだけでなく、醸造業との深い結びつきがあります。Danielは、訓練を受けた醸造者兼麦芽製造業者として、ドイツとアメリカ合衆国で多くの経験を積んでいます。また、アントンパール社にヨーロッパの飲料業界の主要アカウントマネージャーとして勤めています。Gebhardは、認定ビアソムリエであり、アマチュア醸造者として長年の経験があります。

今年の1月からグラーツ(オーストリア)にあるアントンパール社のSUDHAUSでは、この2人のブルーマスターが魅力的な社内醸造所で優れたビールの製造を始めました。現在、3種類のビールを味わえます。これらは、600リットルのタンク4基で発酵され、8基の貯蔵タンクで熟成されます。なめらかなラガービールや濃厚なボックビールをはじめ、品質の高い様々な種類のビールが醸造されます。

完璧なビールを作るには当然、直観と良い原料だけでなく、正しい分析が必要になります。SUDHAUS醸造所には、ブルーマスターをサポートするためにアントンパール社が提供するもの全てが備わっています。糖化と精製では、酵素によって、麦芽の澱粉が発酵性糖に変わります。「私たちはオーストリアの有機麦芽を使用しています」と、Gebhard Sausengは説明します。麦汁ろ過プロセスでは、インラインセンサL-Dens 7400を使用して、DMATM 35 V4、PBA-B、DMATM 4500 M、または新しいDMATM 1001を備えたラボでエキスが測定されます。同じシステムが、麦汁ケトルにおけるプロセスの分析に使用されます。麦汁ケトル内では、ホップによってビールに苦みと香りが与えられます。ここで重視されるのは、エキスとオリジナル麦汁です。

「発酵には測定パラメータのほとんどが必要になります。発酵では、選択された酵母菌株によって麦芽糖がアルコールに変えられるため、アルコール含有量、エキス、色、濁度、二酸化炭素に関するデータが必要です」と、Daniel Goreは言います。2つのL-Rix 510センサで発酵プロセスをモニタリングし、測定データを2つのmPDS 5プロセス表示変換機に送信します。 アルコール、密度、及びエキス用のAlex 500、粘度用のLovis 2000 ME、二酸化炭素及び酸素用のCboxQCも、ラボベンチで使用できます。さらにEasyDensもあります。楕円形で照明付きのこのラボベンチは醸造所のハイライトであり、高さを調節できるモニターを備え、醸造プラントを管理する中心的要素です。

発酵が完了すると、若いビールは初めて分析の過程に入ります。製造プロセスによっては、しばらくの間貯蔵して熟成されることがあります。「私たちの表面発酵ビールは、約3週間貯蔵タンクに保存されます」と専門家のGoreは話します。コントロールするために、ラボベンチ上の装置全体を使用して、二酸化炭素、色、濁度と全てのアルコール及びオリジナルエキスを測定します。これらの値は税金の計算に使用されるため、分析を抜かりなく行うことで安心が確保されます。分析で置き換えられないものが1つあります。醸造者による試飲です。「これが、熟成時に化学変化が起きた味わいを発見する唯一の方法です」と、ブルーマスターは言います。

近頃のSUDHAUSでは、軽くてすがすがしいケラービール(「Das Erste」)、こくのある黒ビール(「Das Altsteirische」)、軽い小麦ビール(「Das Weiße」)の3種類のビールを味わえます。まもなく、底面発酵ラガー(「Grazer Lager」)と冬季の寒冷期間向けのボックスタイルのビールが登場するでしょう。希少なビールが1、2種加わるかもしれない、とGebhard Sausengは笑顔で話します。