XRDynamic 500なら、二体分布関数(PDF)解析に必要な高品質の全散乱データを自施設で取得できます。 これにより、大型研究施設のビームタイムを長期間待つことなく、結晶質材料、ナノ材料、非晶質材料の局所原子構造を迅速に解析できます。 大半径ゴニオメーター、真空ビームパス、Kα1,2専用ミラー、Pixos 2000 CdTe検出器により、高Q領域でも優れた計数統計と高いQ分解能を実現します。 X線管と光学系の自動アライメント、およびソーラースリット制御により、セットアップの負担を軽減し、多くの材料で測定時間を約1時間まで短縮できます。標準XRD測定とX線PDF解析の両方を、再現性の高い単一のワークフローで実施できます。

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X線PDFの基礎と利点

X線PDF解析(全散乱)は、短距離・中距離秩序を明らかにし、従来の回折法を補完します

X線PDFでわかること

X線PDF(原子二体分布関数)は、原子の局所構造、すなわち原子間距離や、その秩序が短距離から中距離にかけてどのように変化するかを明らかにします。 これにより、触媒が活性を示す理由、電池電極の性能が低下する原因、あるいはアモルファス製剤が安定性を維持できる理由を解明できます。 明瞭なブラッグピークがなくても原子構造を明らかにできるため、試行錯誤を減らし、より早い段階で対策を講じられます。

活用シーン

材料の構造と特性の関係が局所秩序に大きく左右される場合は、X線二体分布関数(PDF)解析が有効です。ナノ材料、触媒、電池電極、金属合金、医薬品、ガラス、その他の非晶質材料や無秩序系の解析に適しています。 この手法は、長距離秩序に基づく結晶構造解析だけでは捉えきれない挙動を明らかにし、従来のXRDを補完します。

Q、Qmax、分解能

Qmaxが高いほど、PDFで識別できる構造の詳細が増えます。また、高Q領域で高いS/N比を確保することで、結果の信頼性も向上します。 XRDynamic 500はMo/Ag Kα線源に対応し、高いQ分解能を維持したまま、広いQ範囲のデータを取得できます。 この高いQ分解能により、より大きなrでも特徴を明瞭に識別できるため、ドメインサイズや微細な構造変化を評価できます。

PDF解析向け実験室用回折計の構成

本システムは、最適なX線源、光学系、検出器、自動化機能を組み合わせることで、分析チームがPDF解析に必要な再現性の高い全散乱データを、実用的な時間内に取得できるようにします。

X線源・光学系

Mo KαとAg Kαを切り替えることで、強度と最大Q範囲のバランスを最適化できます。 Moはルーチン測定に適した高強度を実現し、Agは、より高い実空間分解能が必要な場合に、より高いQmaxを確保できます。 自動アライメント機能とモジュール式光学系により、切り替えは容易で、高い再現性を確保できます。

スキャン時間を短縮する検出技術

CdTe検出器は、高エネルギーX線領域で高い量子効率を発揮し、高Q領域における統計精度を向上させます。 これにより、ルーチン測定で一般的なSi検出器と比べて、ノイズの少ない高品質なPDFデータを取得でき、総測定時間も短縮できます。
 

低バックグラウンド、高い安定性

真空ビームパスにより空気散乱を低減し、試料由来の散漫散乱信号をより明瞭に捉えます。 大半径ゴニオメーターと集光ミラーにより高いQ分解能を実現し、Q減衰を抑制することで、より広いr範囲でもPDFの特徴を維持します。
 

時間とコストへの影響

一部の試料では、約1時間の測定で、フィッティングに適した二体分布関数(PDF)を生成できるデータが得られ、当日中の判断が可能になります。 より複雑なケースにも対応できるよう、長時間スキャンやAg Kα線も引き続き利用できます。 標準的なXRDとPDF解析を1つのプラットフォームに統合することで、外部測定に伴う日程調整や移動の負担を削減でき、トレーニングやメンテナンスも効率化できます。

結晶質・非晶質材料のX線PDF解析

代表的な結果は、X線二体分布関数(PDF)解析が、材料選定や研究における的確な意思決定や手法の妥当性確認にどのように役立つかを示しています。

結晶性材料の例(CaF₂):信頼できるフィッティング精度

CaF₂のPDFは、残差が低く、格子定数も安定しているため、標準構造モデルに良好に適合します。これは、アライメントが適切で、統計的信頼性が高いことを示しています。 意思決定者にとっては、試料数や拠点を増やしてもワークフローの予測可能性が高まり、再測定の削減につながることを意味します。

非晶質の例(SiO₂ガラス)

鋭い回折ピークが見られなくても、PDF解析ではSi–O、O–O、Si–Siの原子間距離を特定でき、PDFの特徴は約9 Å付近で収束しており、長距離秩序がないことと整合します。 担当チームは、製造プロセスの変更が短距離構造に影響するかどうかを、数週間ではなく数時間で確認できます。
 

XRDynamic 500:実験室用X線回折装置でPDF解析を実現

XRDynamic 500は、二体分布関数(PDF)解析に最適な高品質の全散乱データを取得できるように設計された実験室用X線回折装置です。 大半径ゴニオメーター、真空ビームパス、集光Kα光学系により高いQ分解能を実現し、Mo管球またはAg管球の選択によってQmaxを拡大することで、実空間でより微細な構造まで分解できます。 CdTe検出器は高Q領域でも高い統計精度を維持し、G(r)の算出に必要な全散乱データの収集時間を短縮します。 

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1台の装置で局所構造を明確に把握し、材料に関する意思決定を迅速化し、リスクを低減できます。

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