テュービンゲン大学における同位体地球化学
テュービンゲン大学地球・環境センターの同位体地球化学研究グループでは、鉱物、岩石、隕石、堆積物、土壌、水、大気物質などの地質試料を調査し、太陽系と地球の形成、地球内部および地表のリザーバーにおけるプロセス、過去の気候変動、人為起源の汚染に関する理解を深めています。
こうした研究課題に取り組むため、同グループでは高度な質量分析技術を用いて、主成分元素と微量元素の組成、および同位体存在度を測定しています。 そのため、分析前に試料を完全かつ確実に分解する必要があります。
地質試料分解における課題
鉱物や岩石の分解は容易ではありません。 ジルコン、ルチル、イルメナイト、スピネル、ガーネットなどの難分解性鉱物には、多くの場合、250 °Cを超える温度と50 barを超える圧力下での酸分解が必要です。 これらの鉱物には特定の微量元素が高濃度で含まれている場合があるため、完全に分解する必要があります。
完全な溶解に加え、試料の代表性を確保することも同様に重要です。 希少鉱物による「ナゲット効果」を回避し、代表性のある元素・同位体データを得るには、十分な量の試料が必要です。 同時に、特に微量元素の同位体分析では、分解システムに起因する汚染を最小限に抑える必要があります。
Multiwave 7501による高圧マイクロ波分解
アントンパールのMultiwave 7501は、加圧分解キャビティ方式によって、こうした課題を解決します。 経済的なPTFE-TFM製バイアルを使用し、最高300 °C、通常は約270 °Cで、複数の試料を2時間未満で同時に分解できます。
加熱前に試料バイアルを窒素で60~100 barまで事前に加圧し、分解酸の沸騰を防ぎます。 これにより、揮発性成分を溶液中に保持しながら、より高い温度で難分解性鉱物を完全に溶解できます。
汚染を低減する効率的な分解
従来の加圧分解容器と比べ、Multiwave 7501は分解時間を短縮し、処理能力を高めるとともに、分解条件をより精密に制御できます。 従来のシステムでは、多くの場合、処理に数日を要し、一度に処理できる試料数が限られるうえ、高温のステンレス鋼部品から汚染が生じる可能性があります。
Multiwave 7501では、加圧キャビティを収容する鋼製外殻を分解中に水冷します。 これにより、拡散による金属汚染を抑制し、同位体地球化学分析に求められる高い清浄度の試料前処理を実現します。