考え抜かれた装置で粘度測定を

2018-05-25 | Corporate

シャワージェル、塗料、ケチャップ、ジャムなど、製品の種類にかかわらず、粘度測定は、製品の品質管理に役立つ実戦的な要素です。今まで市販されてきた製品は、高価で複雑なハイエンドの測定機器か、逆に低価格で使いやすさや性能に大きな制約がある製品のいずれかでした。3種類のモデルが用意されたアントンパール社の新しい回転式粘度計ViscoQCTM 100は、スタイリッシュなデザインの中に独自機能を実現すべく不可能に挑戦した製品です。

製品専門担当者Tamara Kurzmannは、「最も高感度なLモデルは、1 mPa·s (ミリパスカル秒)~6000 Pa·s (パスカル秒)の測定範囲をカバーし、ジュースやシャワージェルの測定に適しています」と説明しています。10 mPa·s~40,000 Pa·sという中程度の粘度向けのRモデルのユニットでは、例えば塗料とコーティング剤の混合状態が理想的であるか、あるいはさらに添加剤が必要かを判断できます。チョコレートやバームのように動粘度が高い場合の測定には、測定範囲が60 mPa·s~320,000 Pa·sのHモデルが適しています。 

デジタル式レベル調整と自動スピンドル検出

動粘度を高精度に測定するための第一歩は、測定器を正しい位置に設置することです。測定器の調整用に最もよく使用されている補助器具が、内蔵の小型水準器です。スタイリッシュなViscoQCTM 100では、3.5"カラーディスプレイでデジタル水準器による位置決め状態を確認できます。製品専門担当者Kurzmannは、「システムは動作中のアライメントも監視します」と説明しています。

調整が済めば、想定し得る全ての測定要件に応じて様々なスピンドルを使用できます。アントンパール社は、最も高感度なLモデル用には4種類、R、Hモデル用には7種類の測定スピンドルを提供しています。また、メーカーが粘度によって口当たりを調整しているジュースなど特に低粘度のサンプル向けに、共軸円筒やダブルギャップ測定システムなど、4種類の特徴的なDINシステムを提供しています。測定用部品は全て、よく使用されるAISI 302よりも耐性の高いAISI 316Lステンレス鋼で作られています。

磁気継手と「ToolmasterTMシステム」を採用しているため、スピンドルは容易に取り付けることができます。アントンパール社の装置にはネジで固定する部分がありません。スピンドルは磁気的に連結され、現在装着されているスピンドルは内蔵チップにより装置で検出されます。スピンドルガードバーが取り付けられている場合は「TruGuard」機能により自動的に検出され、測定中に考慮されます。

自動測定

製品マネージャーPatricia Gejerは次のように説明しています。「弊社が重視してきたのは使いやすさです。ViscoQCTM 100には、あらかじめ定義された測定メソッドが用意されており、例えばその一つであるTruModeでは、各サンプルに応じて最も精度と再現性の高い測定を行える最適なトルクが得られる最適な回転速度が自動的に設定されます」。 また装置は、必要に応じ、より適したスピンドルの推奨も行います。温度調整が必要な場合は、Pt100センサーを装置に接続したり水槽と組み合わせたりして、目標温度に調整できます。測定カップホルダーは柔軟性が高いため、1パイント、1/2パイント、1クォート、及び600 mLのグリフィンビーカー状の様々なサンプル容器を使用できます。 

製薬用途に理想的

データが操作されることを防ぐため、ViscoQCTM 100自体には測定値は一切保存されません。測定値は手入力するか、プリンターやPCに転送する必要があります。アントンパール社の専門担当者が、アントンパール社の製薬向け適格性評価パッケージ「Smart」を使用して、現行の製薬ガイドライン(21 CFR Part 11を除く)に沿って現場で測定機器の適格性を評価しますので、1日で測定機器をご使用いただける状態になります。 ViscoQCTM 100の良さを理解していただけ、自家製イチゴジャムの品質管理用に親戚に贈りたいとお考えでしたら、ぜひHモデルをご検討ください。本製品は、オーストリアのアントンパール社Webショップで約3000ユーロで販売しており、配達後すぐにご使用いただけます。