Rheo-Ramanシステム:
MCR Evolution & Cora 5001
- 粘弾性挙動の分子的起源を解明
- 材料特性に対する深い理解
- 観察されたレオロジー効果を科学的に証明
- 的確なアプローチによる開発サイクルの短縮
- 効率的な根本原因解析と逸脱時の是正措置
MCRレオメーターとCora 5001ラマン分光計を組み合わせたRheo-Ramanセットアップは、レオロジーの力学的情報とラマン分光法の分子特異性という2つの強力な測定原理を融合したものです。学術研究者はレオロジーの挙動とラマンスペクトルから得られる構造パラメーターを結びつけることで、粘弾性特性の分子的起源を解明できるため、仮説を実証に置き換えて、インパクトの高いジャーナルに投稿できるようになります。産業界では、試行錯誤のサイクルを減らし、逸脱を特定し、その根本原因を突き止め、的確な是正措置を可能にすることで、Rheo-Ramanシステムが効率化をサポートします。
主な機能
開発サイクルを減らして市場投入までのリードタイムを短縮
ポリマーや樹脂の製品開発では、多くの場合、時間のかかる試行錯誤と経験によって望ましい特性を得ることができます。Rheo-Ramanアプローチで物理的な測定に化学的な情報を加えれば、開発チームは材料の性能を左右する要因を明確に把握できるようになります。これにより、ピンポイントの最適化が可能になり、開発サイクル数の削減、コスト削減、市場投入までのリードタイム短縮が実現します。

ワンランク上の論文発表に向けた研究成果のブースト
学術研究においては、レオロジー測定だけでは、明確な分子的説明がないまま観察結果が導かれることがよくあります。レオロジーの測定結果を化学的および分子的な情報と組み合わせることで、研究者は単なる仮説ではなく、科学的な証拠を得ることができます。
こうした深い理解は、ワンランク上のジャーナルへの掲載、トップレベルの学会での知名度の向上、研究費申請の強化につながり、途切れることのない科学的進歩のサイクルが促進されます。
主な応用分野は、材料科学、ポリマー科学、樹脂、接着剤、光重合などで、UV照射とラマン分光法の同時利用が大きなメリットをもたらします。

ポリマー製造プロセスの最適化
適切なパラメーターを含む新しいポリマー製造プロセスの開発は、多くの場合、試行錯誤を必要とし時間と生産能力を消費します。Rheo-Ramanセットアップを使用した物理的測定と化学的知見の組み合わせによって得られる貴重な情報は、集中的かつ効率的なプロセスウィンドウの定義を可能にします。このアプローチにより、試行錯誤を最小限に抑え、プロセスの改善を加速させ、コストを削減し、製品を早く市場に投入できるようになります。

Rheo-Ramanシステムの利点 – 装置を個別に使用することも可能
市販の類似システムは、統合・調整手順が煩雑で専門的なスキルを必要とするため、組み合わせて使用することしかできません。これに対し、MCR EvolutionとCora 5001を搭載したRheo-Ramanシステムは、ユーザーがわずか1分で組立や分解を行うことができます。サービス技術者の訪問は不要です。測定ニーズに応じて、レオメーターとラマン分光計を別々に使用することも、組み合わせて使用することもできます。すなわち、1社のベンダーから3つのソリューションが提供されることになります。当社は、装置を個別に使用する場合も、組み合わせて使用する場合も、どちらのソリューションもシームレスに機能することを保証します。

分子起源に至る根本原因分析により、効果的な品質管理を実現
ポリマーメルト、接着剤、樹脂などのポリマー製品の品質管理では、逸脱の解決に時間がかかり、観察やユーザー経験に基づいて試行錯誤することがよくあります。オフラインのテストでは、品質問題が未解決のまま、さらなる遅延と不必要なコストが発生します。
レオロジー測定とラマン分光法を組み合わせることで、ユーザーはレオメーター内で直接、リアルタイムでin-situの化学的知見を得ることができます。これにより、化学的/分子的な根本原因を即座に特定し、迅速にピンポイントの是正措置を講じることができるため、コストの削減、法的リスクの回避、生産維持を実現できます。

仕様
モジュール式コンパクトレオメーター:MCR 102e/302e/502e
技術仕様 | 単位 | MCR 102e | MCR 302e | MCR 502e Power |
ベアリング設計 | - | 空気、微細孔カーボン | ||
モーター設計 | - | 電子整流式(EC) - 永久磁石同期モーター | ||
変位トランスデューサの設計 | - | 高分解能光学式エンコーダ | ||
法線力測定設計 (米国特許6167752(1996年)) | - | 360 °容量センサ、非接触、ベアリングに完全統合 | ||
ベアリングと法線力センサのアクティブ熱管理 | - | × | 〇 | 〇 |
運転モード | - | 複合モータートランスデューサ(CMT) | ||
最小トルク(回転) | nNm | 5 | 1 | 100 |
最小トルク(振動) | nNm | 5 [1] | 0.5 | 50 |
最大トルク | mNm | 200 | 230 | 300 |
最小偏向角(設定値) | µrad | 0.5 | 0.05 | 0.05 |
最大偏向角(設定値) | µrad | ∞ | ∞ | ∞ |
最小角速度 [2] | rad/s | 0 | 0 | 0 |
最大角速度 最大速度 | rad/s 1/min | 314 3,000 | 314 3,000 | 220 2,100 |
最小角周波数 [3] | rad/s | 10 -7 | 10 -7 | 10 -7 |
最大角周波数 [4] 最大周波数 | rad/s Hz | 628 100 | 628 100 | 628 100 |
法線力範囲 | N | -50~50 | -50~50 | -70〜70 |
温調システムサポートプレート搭載(WESP / Space)[5] | - | × | オプション | × |
温調システムサポートプレート非搭載(WSP) | - | × | オプション | × |
寸法(幅×高さ×奥行) | mm | 444×678×586 | 444×733×586 | 444×753×586 |
重量 | kg | 42 | 46 | 47 |
その他の機能 | ||||
ソフトウェアの遠隔操作が可能な装置ディスプレイ (機械的・電磁的干渉防止のために測定センサから独立) | - | 〇 | 〇 | 〇 |
直接ひずみ/ストレスコントローラー | - | 〇 | 〇 | 〇 |
TruRate™ / TruStrain™ (サンプルアダプティブコントローラー) | - | オプション | 〇 | 〇 |
生データ表示機能(LAOS、波形) | - | オプション | 〇 | 〇 |
ノーマルフォースプロファイル(設定と読み取り) | - | 〇 | 〇 | 〇 |
速度プロファイル、タック、スクイーズ | - | オプション | 〇 | 〇 |
自動ギャップ制御/設定(AGC/AGS) | - | 〇 | 〇 | 〇 |
測定治具の電子トリムロック | - | 〇 | 〇 | 〇 |
全自動温度校正 | - | 〇 | 〇 | 〇 |
TruGap™ (実測ギャップの常時制御) (米国特許6499336(2000年)) | - | オプション | オプション | オプション |
T-Ready™ [6] (サンプル温度平衡時間の検出) (米国特許8904852(2011年)) | - | 〇 | 〇 | 〇 |
Toolmaster™ (測定治具とアクセサリー、ゼロギャップの保存) (米国特許7275419(2004年)) | - | 〇 | 〇 | 〇 |
測定治具用QuickConnectカップリング (片手操作、ネジなし) | - | 〇 | 〇 | 〇 |
トリミングミラー (360 °サンプル死角防止) | - | 〇 | 〇 | 〇 |
装置の3点支持 (工具を使用せずに片手で調節できる3本の頑丈な脚) | - | 〇 | 〇 | 〇 |
測定セル取付用の3点支持 (ぐらつき防止、セル交換後の位置ズレなし) | - | 〇 | 〇 | 〇 |
最大温度範囲 | °C | -160~+1,000 | -160~+1,000 | -160~+1,000 |
最大圧力範囲 | bar | 最大1,000 | 最大1,000 | 最大1,000 |
ねじれと引張のDMAに対応 | - | 〇 | 〇 | 〇 |
トライボロジーに対応 | - | 〇 | 〇 | 〇 |
粉末流動・せん断レオロジーに対応 | - | 〇 | 〇 | 〇 |
[1] TruStrain™ オプションの有効化で2 nNm
[2] せん断応力制御(CSS)モードの場合。測定ポイントの継続時間とサンプリングレートに応じた、せん断速度制御(CSR)モードの場合。
[3] 理論値(1サイクルあたりの持続時間=2年)
[4] 多波機能(測定システムとサンプルに応じて942 rad/s(150 Hz)またはそれ以上)を使用することで、さらに高い周波数も可能
[5] 温調システムサポートプレート(フランジ)下の作業スペースを拡張 [6] 使用する温度制御システムにより異なる
二波長in-situラマン分光計:Cora 5001 Fiber
単波長 | 二波長 | |||||
光学仕様 | ||||||
励起波長 | 532 nm | 785 nm | 1,064 nm | 532 nm、785 nm | 532 nm、1,064 nm | 785 nm、1,064 nm |
スペクトル範囲 | 200~3,500 cm-1 | 100~2,300 cm-1 | 100~2,300 cm-1 | 200~3,500 cm-1 (532 nm) 100~2,300 cm-1 (785 nmおよび1,064 nm) | ||
分解能(ASTM E2529準拠) | 9~12 cm-1 | 6~9 cm-1 | 12~17 cm-1 | 9~12 cm-1 (532 nm) 6~9 cm-1 (785 nm) 12~17 cm-1 (1,064 nm) | ||
レーザー出力 | 50 mW** | 0~450 mW*(調節可能) | 0~450 mW*(調節可能) | 50 mW**(532 nm) 0~450 mW*(785 nmおよび1,064 nm) | ||
分光器 | f/2、透過型体積位相格子(VPG) | |||||
積算時間 | 0.005~600 s | 0.005~600 s | 0.001~20 s | 0.005~600 s(532 nmおよび785 nm) 0.001~20 s(1,064 nm) | ||
波長校正 | ソフトウェアによる自動校正 | |||||
検出器アレイ | 2,048 px CCD | 2,048 px CCD | 256 px InGaAs | 2,048 px CCD(532 nmおよび785 nm) 256 px InGaAs(1,064 nm) | ||
レーザークラス | 3B(Fiberモデル) | |||||
装置仕様 | ||||||
寸法(奥行x幅x高さ) | 355×384×168 mm(14.0×15.1×6.6インチ) | |||||
重量 | 9.8 kg | |||||
動作範囲 | 10~35 °C(結露なきこと) | |||||
ファイバープローブの寸法 | ケーブル長:1.50 m | |||||
バッテリー(オプション) | リチウムイオン | |||||
バッテリー駆動時間 | >1.5時間 | |||||
電源入力 | コンセント入力:AC 115/230 V、50/60 Hz 車載用電源アダプター入力:DC 9~32 V | |||||
電力消費 | インライン電源入力:最大100 W DC入力:通常30 W(オプションのバッテリー充電時は60 W) | |||||
その他の仕様 | ||||||
ディスプレイ | 10インチのタッチスクリーン | |||||
データポート | USB 2.0×4、イーサネット×1、CAN出力×1、USB(PC接続用)×1 | |||||
データエクスポート形式 | .csv、.txt、.png、.spc、.aps、.pdf | |||||
内部記憶容量 | 8 GB | |||||
ワイヤレス接続 | Wi-Fiスティック(オプション) | |||||
スペクトルライブラリ | 工場ライブラリ、ユーザー構築、他社製オプション | |||||
セキュリティ | カスタマイズ可能な権限を持つユーザーロール、ユーザーパスワードログイン |
*サンプル
**レーザー光源部
アントンパール認定サービス
- 世界各地に350名以上のメーカー認定の技術者がいます。
- お客様の言語でサポート
- ライフサイクル全体にわたる資産の保護
- 3年保証
書類
-
Success Story | Rheo-Raman | University of Shiga お客様のサクセスストーリー
-
E-Book - フィールドガイド 食品と飼料の検査 アプリケーションレポート
-
Rheo-Raman | レオロジーとラマン分光法の併用: せん断速度の影響 アプリケーションレポート
-
Rheo-Raman | レオロジーとラマン分光法の併用: エポキシ樹脂硬化反応後 アプリケーションレポート
-
Rheo-Raman | レオロジーとラマン分光法の併用: パーム油の結晶化度 アプリケーションレポート