Rheo-Raman | レオロジーとラマン分光法の併用: パーム油の結晶化度
レオロジーとラマン分光法のコンビネーションは、 系の物理的特性と化学的特性を同時に測定する上で、非常に特徴的です。 パーム油の結晶化のモニタリングでは、このコンビネーションの能力が発揮されます
大豆油に次いで重要な再生可能脂質源はパーム油で、口紅、ピザ生地、即席麺、シャンプー、洗剤、 アイスクリーム、チョコレート、バイオディーゼル、 包装パンなどの製品に含まれています。 パーム油は主にさまざまな種類のトリアシルグリセロ ール(TAG)、すなわち、ミリスチン酸、パルミチン酸、 ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸のうち 3 つの 主要な脂肪酸でエステル化されたグリセロールで構成 されています。 構成する脂肪酸は、その物性に違いがあります。常温 では、パーム油は固体または半固体のスラリー状です。 これは液体マトリックス中に多数の小さな結晶ドメイ ンが浮かんでいることに起因しています。TAG の種 類ごとに融点がわずかに異なるため、油相の分離はむ しろ容易で、原料パーム油の精製での大規模な分画プ ロセスで使用することができます。 ここで、結晶化 した成分は、主に油脂化学的用途(石鹸、乳化剤、潤 滑油)に用いられるステアリンと呼ばれる高融点画分 と、主に調理や揚げ物に用いられる低融点画分(オレ イン)に分離されます。 レオメータは、融解・凝固時の粘弾性パラメータの変 化を追跡するのに優れたツールです。パーム油な どの植物油の場合は、ラマン分光計を使用して化学的 情報を同時に取得することで、さらなる知見を得るこ とができます。レオメータのスペクトルはバルクサン プルの物理的特性に関する知見を与え、ラマンスペク トルは化学構造と微小環境を反映する分子の振動状態 を厳密に調べます。 パーム油の融解過程では、固体から液体への転移に伴 い、粘度と弾性が徐々に変化します。今回紹介するレ オロジーとラマン分光法の組み合わせには、同じサン プルで同時に測定できるという利点があります。
ドキュメントのご送付
ドキュメントを受信するには、以下にメールアドレスをご入力ください。