流動性、溶解性、一貫性、純度、安定性は、医薬品の粉体を最適化する際に重要なパラメータです。Anton Paarの幅広い分析装置ラインナップは、実際の条件下での医薬品粉末の特性評価に焦点を当てており、医薬品の有効性を高めるのに役立ちます。
粒子特性への理解を深めることで、より予測可能な処方を実現できます。剤形から製造まで、あらゆる段階における粉体の流動挙動を理解できます。考慮していなかった環境条件が、生産効率と品質に影響するのを防止します。
比表面積、粒子径や粒度分布、かさ密度、タップ密度、粉体流動性などのパラメータについて、信頼性と再現性のある結果が得られます。X線回折では、非周囲温度での多形特性に関する知見を得ることができます。ラマン分光法では、医薬品の有効成分や賦形剤を同定できます。密閉容器分解では、誘導結合プラズマ質量分析用サンプルを調製できます。
詳しくは、eBook「医薬品粉体の特性評価に関するフィールドガイド」をダウンロードしてください。
溶解性、溶出速度、一貫性

医薬品の開発、試験、投与において、製剤の一貫性、溶出速度、バイオアベイラビリティ、最終的な吸収挙動を最適化することは非常に重要です。これらの各パラメータに直接影響を与える主要な物性の1つが、製剤時の粒子径です。製剤時の粒子径と粒度分布を迅速かつ正確に測定し、時間経過や異なる条件下での変化を調べることは、多くの場合、新規処方開発の最初のステップとなります。
さらに、粉体製剤の比表面積と空隙率からは、特に溶解性と溶出速度に関して、より多くの知見が得られます。具体的には、粉体の比表面積が大きく、多孔質であればあるほど、溶解性と溶出速度が向上します。医薬品粉体の粒子径、比表面積、空隙率を正確に測定することは、医薬品の一貫性と送達を最適化する上で非常に重要です。また、患者さんの体内における医薬品の放出速度を制御する上でも重要です。
粉体の流動性

量産規模での粉体の加工、取り扱い、保管では、パイロットスケールでは見られなかった問題が発生します。多くの粉体は、置かれた環境条件(温度や湿度など)に大きく依存した挙動を示します。こうした挙動の変化は、流動性、凝集性、凝集傾向など、さまざまな物性の変化として表れます。こうした通常好ましくない影響は、例えば、賦形剤と医薬品の有効成分が分離または偏析する場合に問題となることがあります。また、こうした流動特性の変化は、加工や充填工程でも問題となります。
温度/湿度に依存した粉体レオロジー特性を測定すれば、医薬品粉体の流動性や力学的挙動を評価することができます。これにより、医薬品粉体を分析し、適切な調製条件を設定できるようになります。さらに、粉体レオロジーで流動特性を理解し、効率的で完璧な輸送、加工、混合を実現することができます。
純度、安定性、結晶化度(XRD及びSAXS)

医薬品粉体の長期安定性や、保存条件および包装が粉体の安定性にどのような影響を及ぼすかは、重要な関心事です。X線回折(XRD)や小角X線散乱(SAXS)などの手法では、結晶化度(非晶質部分と結晶相の比率)やその他の構造を変化させる経時変化の影響を分析できます。これらは、時間の経過や粉体の保管条件によって大幅に変化します。 SAXSとXRDは、周囲条件および非周囲条件下(必要に応じてin-situ)でサンプルを測定でき、経時変化、安定性、適切な包装、最適な保存条件について本質的な知見を与えてくれます。
医薬品有効成分(API)の結晶構造は、医薬品の安定性、溶解性、そして最終的にはバイオアベイラビリティを決定します。XRDは、結晶相を同定し、粉体中に存在する形態を理解するためにAPIの多形体スクリーニングの標準的な手法です。
サンプル同定

製薬業界は、グローバル市場の中で最も規制の厳しい業界の1つです。この規制が、製品の品質を保証し、世界中の患者さんのリスクを最小限に抑えています。すべての原薬、賦形剤、医薬品、包装材料には、国際薬局方およびGMPガイドラインに基づき、確認試験が求められています。米国薬局方第197章及び第858章では、確認試験はラマン分光法を用いて実施することができ、USP 1225に基づき検証しなければならないと定めています。
バッチが次工程に使用できるか、あるいは不合格にする必要があるかをすぐに評価するには、迅速かつ正確な手法が求められます。確認試験ソリューションは、FDAのCFR 21 Part 11に準拠していなければならず、データの整合性と完全な監査証跡を保証する必要があります。