E38IA040JA-C 1 www.anton-paar.com ICPによる元素分析のための石油製品の分解

Multiwave 5001のローター 20SVT50を使用すると、反応性の高い石油製品を高温環境下でも安全かつ簡便に分解できます。

石油業界ではこれまで、マイクロウェーブを使用せずに微量金属分析を行っていました。最近ようやく、密閉容器でのマイクロ波酸分解の認識が高まってきました。分解が困難な反応性の高いサンプルには、高度で迅速なプロセス制御が求められます。これには、過剰な反応ガスを素早く放出するスマートベント機能や、圧力上昇を確実に検知するローター 8NXF100が有効です。
従来の密閉容器での酸分解では、サンプルの量に応じて発生する反応圧力により、達成可能な温度に制約がありました。そのため、過剰な反応ガスを放出することで、安全かつ効率的に処理が可能となり、より大量の試料にも対応できるようになります。
Multiwave 5001に搭載されたローター 20SVT50は、すでに定評のあるスマートベントテクノロジーを高度な圧力レベルで提供し、制御した状態で反応ガスを放出することができます。これにより、高い分解温度を実現し、難分解性のサンプルでも優れた分解品質を得ることができます。
Multiwave 5001のSmartTemp温度センサは内部温度を迅速かつ正確に測定し、反応性の高いサンプルを確実に制御するうえで重要な役割を果たします。
ローター 20SVT50は、1回に最大20サンプルを処理でき、圧倒的な効率性を備えています。
燃料、潤滑油、ワックスなどの精製品は、その高い反応性とエネルギー含有量から扱いにくい製品ですが、ほとんどが脂肪族組成であるため、約200 °Cで分解できます。しかし、船舶用燃料や燃料油、さらに程度は少ないものの原油のような「黒油」製品には、縮合「多環」芳香族化合物が多く含まれているため、より高い温度が必要となります。酸化力を高める一般的な方法として、最初の分解運転後に容器を開いて脱気し、過塩素酸や過酸化水素のような酸化剤を少量追加して再度分解を行う戦略があります。

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