建設開始:新テクノロジーセンター

2022-04-26 | Corporate

オーストリアのグラーツにあるアントンパールは、近年力強い成長を遂げており、グラーツ・シュトラスガングにある本社を拡張中です。2022年4月25日に行われた起工式では、最大1,000か所のワークスペースを備えた、6,000万ドルのテクノロジーセンターの建設が開始されました。完成は2023年末の予定です。

2010年以降、従業員数は3倍に増え、全世界で3,600人を超えています。グラーツの拠点だけでも、現在約1,400人が働いています。力強い成長には、それに見合った建設も必要であるため、テクノロジーセンターの新設計画を2014年に始めました。「しかし、開発計画や建物の高さに関する制限により、プロジェクトは何年も遅れました」と、COO兼建設プロジェクト責任者のドミニク・サントナーは説明します。

新棟を建設するには、2022年3月と4月に敷地内の最も古い3棟の建物を解体する必要がありました。新しいテクノロジーセンターは総床面積26,800m2で、敷地内では最大となります。そこにすべての事業部門と研究開発部門が入る予定です。「2024年には、650人の従業員がこの新棟に移転する予定です。今回の新棟建設では、成長のためのスペースを確保するだけでなく、技術的にも最先端の建物となります」と、同施設の太陽熱氷蓄熱システムについてドミニク・サントナーは言います。

エネルギッシュなイノベーション
この氷蓄熱システムはヒートポンプを併用して、冷暖房需要の約40%に応えます。これは直径19m、深さ6m、水量にして約170万リットルの地下水槽です。夏前は水槽内の水が凍っています。その融解熱と冷水を利用して、建物を冷やすのです。ヒートポンプは建物の熱を貯水タンクに伝え、数か月かけて温めます。寒い季節が始まる頃には貯水タンクは温まっており、冬の終わりに再び凍るまで、建物の暖房に使用することができます。この革新的なシステムの導入には、従来の冷暖房システムよりも約300万ユーロのコストがかかります。さらに、建物の屋上には太陽光発電システムと太陽熱発電システムを設置します。

建築的な特徴としては、内部に2つの吹き抜けを設けることで、室内に自然光を取り入れます。また、オープンスペースというコンセプトのもと、自然換気にも配慮しています。施工は、グラーツにあるKFR ZT GmbHの建築事務所が担当しています。