Rheo-Raman | レオロジーとラマン分光法の融合: LDPE と HDPE の結晶化と融解のモニタリング

レオロジーとラマン分光法を組み合わせることで、レオロジーの変化と分子の変化を直接関連 付けることで、ポリエチレンの結晶化と融解の in-situ モニタリングを実現することができ、 結果の解釈が容易になります。

1 はじめに

プラスチック、ゴム(エラストマー)、繊維などの合成 高分子は、日常生活において必要不可欠な役割を果た しています。最近では、物理的・化学的特性に関 して、顧客のニーズに合わせて特別に調整された高分 子材料が増えてきています。このため、ポリマーの製 造や加工には、詳細な分析が欠かせません。 この作業を簡単かつ迅速に支援する非破壊分析法とし て、ラマン分光法があります。この技術により、ポリ マーの同定、残存モノマーの検出、また、ポリマーの 立体規則性、立体配座、結晶特性に関する特性評価を 行うことができます. ラマン分光法は、一意の化学 的フィンガープリントを提供するサンプル固有の分子 振動に反応するため、ポリマーの融解・結晶化プロセ スのモニタリングに非常に適しています。 ラマン分光法とレオメータを組み合わせることで、溶 融・凝固時の粘弾性パラメータの変化をモニタリング、 バルク材料の物性を把握すると同時に、化学構造やミ クロ環境との関連付けを行うことができます。 このように、ラマン分光法とレオメータの組み合わせ は、高分子加工産業の入荷検査に役立つだけでなく、 研究開発部門でも合成時の高分子特性評価に利用する ことが可能です。 

2 ポリエチレン

ポリエチレンは半結晶の熱可塑性プラスチックで、 産業界で最も一般的に使用されているポリマーに属し ます。ポリエチレンは加工しやすく、強靭で、耐薬品 性に優れているため、フィルムや包装容器、ケーブル 絶縁、家庭用プラスチックなど、幅広い用途に使用さ れています。そのさまざまな形状は、一般に密度 によって区別します 。主な形態には、HDPE(高密 度リエチレン ) 、 LDPE( 低密度リエチレン ) 、 LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)があります。 HDPE は分子量が 300.000 g/mol 以上と高く、ほとん どが分岐していないポリマー鎖で構成されているため、 固体状態で密度が高く、高い結晶化度を有しています。 一方、LDPE には、長さが均一でない大きな分岐が見 られます。結晶化度は変形に対する反応に影響し、 ポリマー加工時の流動性などに関して重要になります。 ポリマーの結晶化度は、サンプル中に存在する結晶相 のポリマーの分量で定義されます。ポリエチレン の結晶化度と密度は線形関係にあるため、通常はポリ マーの密度が使用されます。 

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