食品マトリックスからのPAHsのMAE
多環芳香族炭化水素(PAH)による食品汚染は、発がん性および変異原性が高いことから、規制当局にとって継続的な課題となっています。今回は効率的な手順の確立を目的として、マイクロ波装置を用いて3種類の高感度マトリックスからPAHを抽出する方法に関して、欧州規制に従って妥当性を検証しました。
はじめに
マイクロ波を用いた溶媒抽出法は、すでに食品以外のマトリックスにおける汚染物質の抽出に頻繁に使用されており、食品試料に対しても有望な方法であると考えられています。この分析法が優れている点は、投資コストが低いこと、消耗品の使用量が少ないこと、操作が簡単であることです。また、PAH(多環式芳香族炭化水素)化合物は高温の影響を受けないため、PAHにも適したサンプル前処理法です。PAHは化石燃料やタール沈殿物に由来するものですが、有機物の不完全燃焼によっても生成されるため、バーベキュー料理にはよく見られます。今日では、燃料や石炭を消費する人間の活動が、大気中のPAHの主な発生源となっています。PAHの特定における主要なリード構造であり、十分に研究が進んでいる化合物であるベンゾ[a]ピレンは、さまざまな規格で確立されています。今回紹介する検証プロトコルでは、EC 1881/20061の規制対象であるPAH、すなわち、ベンゾ[a]ピレン、クリセン、ベンズ[a]アントラセン、およびベンゾ[b]フルオランテンを取り上げています。また、これら4種類のPAHの総量についても検証しています。
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