セメントの粒子径・形状解析

セメント粒子の大きさや形状は、流動性や必要な水の量など、最終製品の特性に強く影響します。Litesizer DIA 500 は、最大 144 フレーム/秒で画像を取り込み、わずか数秒で粒子の大きさと形状の分布を算出します。

セメントは、建設業界で最も使用される材料であり、生産量は年間 40 億トン以上にのぼります (1)。珪酸塩やアルミン酸塩などの無機成分が複雑に混ざり合った、安価で製造しやすい材料となっています。セメントの硬化は主に水和反応によるもので、水とさまざまなセメント成分が結合して起こります。 セメントには CEM I から CEM V までの 5 つの種類があり、一般建築に最も関係が深いのは CEM I と CEM II です。CEM I は純粋な普通ポルトランドセメント (OPC) で、CEM II は OPC にフライアッシュ、スラグ、石灰石などの添加物を最大 35 % まで混合したものです (2)。 各セメント種は、製造するコンクリートの 28 日圧縮強度に応じて、3 つのグレードに分けられます。そのグレードは 32.5、42.5、52.5 です。また、セメントは強度発現の速さによっても分類され、R は早期の強度発現を、N は通常の強度発現を意味します。例えば、CEM I 42.5 N の場合、純粋な OPCで強さ 42.5 MPa、通常の強度発現を意味します。 通常のポルトランドセメント以外に、速硬性セメントなど特殊な配合が必要になることもよくあります。この特殊なタイプのセメントは、水と混ぜてからわずか数分で硬化が始まり、通常 1 時間以内に硬化が完了します。速硬性セメントは、主に OPC と水和過程の触媒としての硫酸アルミニウムで構成されています。 また、セメントの品質は粒子の大きさや形状に強く依存し、これらが表面積、圧縮強度、硬化時間などに影響します。粒子が細かすぎると最終製品で熱が発生し、大きすぎると十分な水和反応が起こりません。粒子の大きさに加え、粒子の形状もモニタリングすべき重要なパラメータです。セメントの流動性と水の必要量は、球形粒子と非球形粒子で大きく異なることがあります (3, 4, 5)。 ここでは、アントンパール社の動的画像解析装置である Litesizer DIA 500 を使用して、異なるメーカーの異なる種類のセメントを評価する様子をご紹介します。Litesizer DIA 500 (図1) は、高フレームレートカメラを使用し、短時間で多数の個別粒子の画像を撮影することができます。その結果、数秒で粒子の大きさと形状の両方の分布が得られます。

ドキュメントのご送付

ドキュメントを受信するには、以下にメールアドレスをご入力ください。

読み込み中...

エラー