密閉容器内分解による元素不純物の解析 (ICH Q3D、USP <232>、<233>、Ph. Eur. 5.20に準拠)

重大な規制の変更により、2018年1月以降、すべての医薬品に元素不純物に対する考慮が義務付けられました。Multiwave GOおよびMultiwave GO Plusは、GMPに準拠したサンプル前処理に強力なオプションを提供し、多種多様な医薬品の処方をカバーしています。

元素不純物は、患者にとって有害なリスクとなるだけでなく、医薬品の品質や有効性にも影響を及ぼす可能性があるため、その分析は医薬品の開発や品質管理において重要な役割を果たしています。

規制の背景

これまでの重金属分析は、USP <231>、 Ph. Eur. 2.4.8に記載の界試験に従って、硫化物沈殿によって行われていました。この100年以上前の手順は非特異的なもので、具体的で定量的な結果を得ることができませんでした。
集中的な開発期間を経て、最終的に、関連するすべての規制において、古い湿式化学分析が最新の機器分析に置き換えられました。
こうした変化により、ICP-OESまたはICP-MSを、マイクロ波による密閉容器内分解などの信頼性の高いサンプル前処理技術と併用することが、元素不純物の具体的な定量化に不可欠になりました。
医薬品規制調和国際会議 - ICH
ICHガイドラインQ3Dステップ4は、2014年12月から有効であり、2017年12月以降のすべての製品で考慮する必要があります。
ガイドラインでは、元素不純物をその毒性と医薬品への混入の可能性に基づいて、1、2A、2B、3の4つのクラスに分類しています。各元素と各剤形(経口、非経口、吸入)について、PDE (Permitted Daily Exposure)、1日曝露許容量)値を規定しています。
クラス1の不純物、いわゆる「ビッグ4」と呼ばれるCd、Pb、As、Hgと、クラス2Aの金属であるCo、V、Niには特に注意が必要です。いずれも毒性が高いため、PDEが最も低くなっています。これらの元素は、意図的に添加されていない場合でも、各PDEに違反する可能性についてリスク分析が必要です。この評価の結果に応じて、正当な管理方針を定める必要があります。管理方針の範囲は、いかなる分析も実施しないことに始まり、定期的な調査、さらには各完成品バッチのルーチンテストにまで及びます。
⽶国薬局⽅ - USP
USP <232> 元素不純物-限界値、<233> 元素不純物-手順は、2015年12月に公表され、2018年1月時点で旧USP <231>への言及はすべて置き換えられています。<232>に記載の限界値は、ICH Q3Dの要件に完全に適合しています。
栄養補助食品についてはUSP <2232>が2013年8月より施行されています。これは、全元素汚染物質の分析手順に関するUSP <233>に言及し、2018年1月から適用されています。
欧州薬局方 - Ph. Eur.
欧州薬局方委員会は、2017年12月以降にEU市場で販売されるすべての既存製品について考慮しなければならないICH Q3Dガイドラインを、 Ph. Eur. 5.20にそのまま転載することを決定しました。

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