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2018-04-04 | Corporate

密度の歴史に新しいページを

ビール醸造が流行しています。醸造所の数はアメリカだけでも、2009年の1600箇所未満から、2017年には6000箇所以上に増えました(アメリカ醸造業者組合調べ)。ビール愛好家の多くはまず、自家用として台所で醸造を試みますが、徐々に本格化し、ついには立派な醸造所を開くに到ります。アントンパール社は、誰でも醸造の過程を管理できる測定機器を販売しています。さらに、自家用に麦汁を完璧にブレンドしてみようという人向けにも、適切な測定技術を提供しています。

密度の測定は、何よりも重要です。そして密度測定こそ、アントンパール社で変革を遂げた技術です。50年前、振動U字管を備えた最初のデジタル密度計が、Achema見本市で展示されました。そして今、測定事業部門の技術者が、丸を四角にするような困難な企てにより測定原理を一新し、高い性能を実現したのです。「われわれは古い振動U字管方式の限界を見極め、新しい技術でこれを乗り越えました」と、アントンパール社で高性能の密度計を担当する製品マネージャー、Siegfried Holdは述べています。綿密なシミュレーションといくつかのプロトタイプ開発を経て「Repeated Fade-out Method (特許取得済み)」を確立し、その成果として生まれたDMA 5000は、世界最高精度の密度計になりました。6桁というとてつもない精度を誇り、再現性にも優れています。

しかしここでは、専業の地ビール醸造所や蒸留所の話から始めましょう。どちらも、製品の品質や組成に関心があります。少なくとも税務当局は、課税のために、正確なアルコール度数を知る必要があります。「結局、知りたいのは常に濃度、例えば糖質やアルコールの濃度なのです」と、携帯用密度計及び「簡易」デスクトップデバイス担当の製品マネージャー、Julia Sattlerは言います。少ない予算で初めて醸造に取り組む人には、DMA™ 35が期待できます。今や第4世代に到った製品で、これを使えば発酵過程をうまく管理できます。また、防爆型の製品もあり、化学検査を必要とする業界で、あるいは空港でのケロシン検査に利用されています。

アルコール度数が高く香り高い蒸留酒には、Snap 51が向いています。Julia Sattlerによると、「蒸留酒向けで市場に出ている、最高精度の携帯型測定機器」です。お気に入りの蒸留所があるならば、高精度Snap 51が素晴らしい贈り物になるでしょう。あるいは、測定性能はやや劣るものの、小型で低価格のSnap 41もあります。携帯型測定機器には、現場で直接測定できるという大きな利点があります。サンプルを採取し、ラボに持ち込む必要がありません。この低価格密度計の顧客ターゲットは、今なお旧式のガラス測定器(液体比重計など)で密度を測定している人たちです。「測定」事業部門で密度測定に携わる専門家によると、これは巨大な市場です。

アントンパール社はこのほど、測定可能パラメーターで拡張することができない「独立型卓上ユニット」の市場に「戦闘機械」(H.G.ウェルズ「宇宙戦争」に登場する火星人の兵器)を送り出しました。DMA™ 1001は、産業界が求める規格全てを満たしています。通常の贈り物よりもはるかに低価格でありながら、製品管理者のJulia Sattlerによれば、しばしば大幅に値引きして売られている競合製品と比べてもこれは「おすすめ品」であり、「DMA™ 1001は市場に出ている最も低価格の4桁測定器です」。

今では操作も非常に快適になりました。誰でも使えるよう、エラーが生じうる要素を極力排除した設計になっています。「当初の測定器は振動データを表示するだけで、密度はそこから計算する必要がありました。今ではタッチスクリーンで操作する方式になっています。各種インターフェースを備えており、ラボでのデータ処理や密度系との接続が可能です」と、Siegfried Holdは言います。モジュール方式になっているので、様々な測定機能を備えた、完全なシステムに拡張することも可能です。

市場の牽引役

あらゆる測定データを収集するためには、高性能の測定機器を使う必要があります。DMA™ 4100 M、DMA™ 4500 M、DMA™ 5000 Mの各機種は、アップグレードして測定ステーションを構築できます。密度だけでなく、屈折率、旋光度、粘度、そして酸素、二酸化炭素、アルコールの含有量も表示するシステムです。必要に応じて自動化も可能です。製品を担当するSiegfried Holdによれば、「精度5桁のDMA™ 4500 Mは最も売れている密度計で、世界の市場に行き渡っています」。寿命が長いことでも知られ、飲料、医薬、化学、香料といった産業に普及しています。特にソフトドリンクの分析用として、アントンパール社はSDA Mを提供しています。音速の測定値も併用して、飲料における糖転化(熟成プロセス)の度合いを判定します。また、DSA 5000 Mも密度に加えサンプル中の音速を測定し、三成分混合物の特性(ある溶液中における2つの成分の濃度、例えば水中のアルコール及び糖質の濃度)を分析します。

ボーリング穴の中から

近日販売予定のDMA™ 4200 Mはハステロイ合金センサを備え、最高500 barの高圧及び最高200 ℃の高温下で密度を測定できます。ターゲットは石油業界です。製品マネージャーであるBarbara Klug-Santnerは、「原油をボーリング穴の中で圧力容器に直接充填した後、ラボでDMA™ 4200 Mを使い、地下深くの油脈と同じ圧力及び温度条件下で測定します」と説明しています。市場への投入はまだですが、すでに注文が来ています。

事業拡張をやめ、小規模に始動する醸造業者向けには、EasyDensがあります。抽出液や糖質の管理も、この普及型の機器で充分に可能です。スマートフォンでアプリケーションを起動し、結果を表示する仕組みです。EasyDensは、自家用に麦汁を完璧にブレンドするためにも有用です。アントンパール社のオンラインショップで販売しており、使い方は簡単です。この機器については、また別の機会にご説明します。

 

密度測定の歴史

密度(質量を体積で除した値)の測定法は、アルキメデス(紀元前287~212年、シチリア)と「アルキメデスの原理」にさかのぼります。精度の高い測定が可能になったのは、アブ・ライアン・ビールーニー(973~1048年、アフガニスタン)が考案したガラス製「ピクノメーター」からです。この「比重瓶」は容積が既知で、ここに測定したい液体を充填し、質量を測ります。密度(比重)は質量と容積から計算できます。

正確な目盛付きの浮ひょう計は18世紀に考案されました。液体の比重によって沈む深さが異なることを利用したものです。このデリケートなガラス容器の目盛で比重を読み取ります。ピクノメーターや浮ひょう計は、今でも広く使われています。

アントンパール社は、振動U字管技術を活用した初のデジタル密度計を、1967年に発売しました。サンプルを充填したU字管(繊細なガラス管)に電気的な刺激を与えて振動させると、U字管の自然振動周波数によって決まる密度が計算されます。

1981年には初の携帯型密度計DMA™ 35を発売し、「オーストリア新技術賞」を獲得しています。そして2017年、アントンパール社は新しい測定技術を導入しました。最大振幅で連続振動させる代わりに自由振動させ、徐々に減衰した後、再び振動させる、というものです(Repeated Fade-out Method (特許取得済み))。振動とフェードアウトのパターンから、より精度の高い測定結果が得られます。

高性能の新しい機器では、気泡や粒子の影響で生じる誤差を検出し、サンプルの粘度や温度変化の影響を補正するようになっています。

 

アントンパール社の密度測定技術

Y字振動管: 温度を正確に制御し、高い精度を達成するためには、環境内の振動を切り離すためのカウンターウェイトが必要です。

W字振動管: 最も小さな共振体で、精度は落ちますが、携帯型測定機器に向いています。

X字振動管: より高い周波数で振動するので、測定媒体の粘度による影響が大きくなります。カウンターウェイトが不要なので、さらなる小型化が可能です。

振動管の製造はアントンパール社の要です。最良のY字振動管は、アントンパール社内のガラス工場(グラーツ)で、ほぼ完全に手作業で製造されています。繊細な振動管の測定容量は、1~2ミリリットルです。必要に応じて、金属製のU字振動管も製造します。例えば、腐食性の高い物質を高圧下で測定するような場合です。