粘度測定及び粘弾性測定分野における医薬品業界向けコンプライアンス

流動特性の評価とコンプライアンス

アントンパール社の粘度計及びレオメータは、材料の構造や整合性、改善の評価に最適な装置です。全ての装置が次の性能をお約束します。

  • 医薬品業界の法規制21 CFR Part 11の完全な準拠と、完全なデータインテグリティーの実現*
  • どのようなサンプルも容易に測定でき、ユーザーエラーを防止する機能を搭載
  • アクセサリー及び測定技術に関する高度なモジュール設計
  • 独自の製薬向け適格性評価サービスによる、装置の適格性評価に要する時間及び費用の大幅な節約
  • アプリケーション及びサービスのグローバルネットワーク、アプリケーションに関する幅広い知識、地域のテクニカルセンターによる現地サポート

* ViscoQC 100が医薬品業界向けコンプライアンスに提供する機能は限定的です。

流動特性の評価とソリューションの特定

万物は流転します。医薬品製造、品質管理、研究に関しても同様です。アントンパール社は、原材料としてのオイルから、咳どめシロップ、ジェル、蒸留流体、さらにはカテーテル用ポリマー及び粉末状の錠剤などの最終製品までの、多様な材料の流動及び変形の挙動を測定するための様々なソリューションを提供しています。

課題 解決法 お客様にとってのメリット 装置

目薬の保湿効果が続くのはわずか数秒間のみです。

実際の条件下(瞬きの瞬間のずり流動化の効果及び体温)でシミュレートしながら、目薬に含まれるメチルセルロース溶液の粘度値を様々な温度で分析して正確に定量化します。

様々なせん断速度及び温度で粘度値を測定することで、目薬の整合性をシミュレートできます。これらの値を把握すると、目薬内のメチルセルロース溶液の割り当て量を調整することができます。

肌用ジェルは、約6か月保管すると、チューブ内で硬化します。

周波数掃引を用いて保存安定性を確認することで、ジェル内の2相の分離を観察して防止します。

レオロジー振動試験により、周波数掃引を高速かつ正確に実行できます。事前に定義済みのテストテンプレートを使用すると、キサンタンの含有量を変更しながら数分間でジェルの特性を評価できます。

咳どめシロップはスプーン上にとどまらず、消化管の中を高速で流れていきます(そのため喉の表面が覆われません)。

単一点粘度を測定して迅速な品質チェックを実施するか、加速させながら一定の温度で多点分析を実施します。

単一点粘度測定を使用するか、流動または温度依存の挙動を研究することで、咳どめシロップの鎮静効果と適切な粘度を確認できます。咳どめシロップの流動挙動をより詳しく分析するには、数学的モデル「せん断減粘指数」を使用できます。

パッケージから軟膏をポンピングしてしぼり出すことはできません。対象の身体部分に塗布しても、のびはあまり良好ではありません。

単一点の粘度を測定して迅速な品質チェックを実施し、速度またはせん断速度を上昇させながら一定の温度で多点分析を実施します。

単一点粘度測定を実施するか、流動挙動及び降伏点を調査することで、軟膏の完璧なポンピング能力とのびを確保できます。

マイクロエマルジョンは熱(35 °C)で複数の相に分離します。

一定の速度/せん断速度で、温度に依存する流動挙動を分析します。

保管時の製品の挙動を様々な温度でシミュレーションし、その結果に応じて計算式を改良できます。

チューブから軟膏をしぼり出した後、サンプルは極めて薄膜な状態のまま残ります。

3インターバルチキソトロピー試験(3ITT)というステップテストで構造回復を分析します。

このようなテストにより、塗布の際の実際のサンプルの挙動をシミュレーションできます。インターバル1で、塗布前の粘性を評価します。インターバル2で、塗布の際の粘性を評価します。インターバル3では、塗布後の粘性の構造回復を測定します(チューブからしぼり出し/充填/ポンピング)。

流動食は、簡単に飲み込めません。

単一点の粘度を測定して迅速な品質チェックを実施し、速度またはせん断速度を上昇させながら一定の温度で多点分析を実施します。

高低両方のせん断速度で粘度を分析することで、静止状態及び飲み込み時の流動食の粘度を測定できます。増粘剤を低粘度の液体に追加すると、この液体の粘度が高まるため、飲み込みやすくなります。

錠剤は、製造プロセスまたは保管の際に分解します。

錠剤の圧縮形成に使用される粉体の凝集力を測定します。

原材料の凝集力の重要なパラメーターを特定して、適切な特性を持つ粉体のみを使用し、対象を優先する方法で製造パラメーターを調整することで、製造工程の廃棄率を最小限に抑えることができます。

粒子の原材料は、製造工程中に偏析または脱混合する傾向にあります。

粒状化の問題の偏析及び壁面摩擦の挙動を確認します。

原材料の配合を調整することで、変化した粉体の流動挙動を原因とする医薬品有効成分の効果への悪影響と製造工程の問題を回避できます。

人工関節は、移植後すぐに摩耗の兆候が現れます。

人工関節に使用される材料の組み合わせのトライボロジ挙動(摩擦、摩耗、潤滑)を確認できます。

適切な材料の組み合わせと表面処理を調査し最適化することにより、人体内の人工関節に必須の長期耐久性を確保できます。

手の除菌剤(液体及びジェル)の塗り心地がよくありません。

回転式粘度計を使用してポンプ搬送性と伸びを分析し、振動粘弾性測定により皮膚への使用感を分析します。

適切な粘弾性特性を実現し、ジェルが取り出しやすくスムーズに広がり、同時にあまり水っぽくならないようにすることで、ユーザーの体感を最適化することができます。

成分の混合に問題があるため、ワクチンの増産が困難です。

レオロジー特性を分析することで、理想的な処理及び混合パラメーターを探します。

粘度特性を把握することで、ラボでの小規模な生産から量産体制へのスケールアップを設計することができます。また、製造中の品質を正確に管理することもできます。

メチルセルロースを使用すると、製造時にサンプル粘度が変化するように思えます。

適用されるせん断速度に依存する粘度を測定します。

各溶液と濃度の適切な処理パラメーターを見つけることで、材料のロスなしで最大限のスループットを得られます。

プロセス中のずり粘凋化現象により、患者の歯に歯科充填用コンポジットを充填することが困難です。

コンポジットの架橋プロセスと設定を分析します。

歯科充填用コンポジットの使いやすさと塗りやすさをもたらす、安定した挙動を保証できます。

環境湿度により、工場での粉体処理(錠剤化など)が困難になっています。

粉体流及びその他の粉体特性に湿度が及ぼす影響を測定します。

環境と処理のパラメーターを最適化することで、製造時のコストのかかるダウンタイムを回避することができます。

お客様特有のサンプルはありませんでしたか? アントンパール社がお客様の課題を解決します。 詳細については、㈱アントンパール・ジャパンにお問い合わせください。 

粘度測定と粘弾性測定の概要

材料特性評価では、変形挙動や流動特性が重要なパラメーターになります。粘度計およびレオメータは、サンプルの流動性が正しいかどうかを確認するための理想的なツールです。

さらに詳しく

流動特性の評価と製薬ガイドライン

必要な規定に適合することは、全ての製薬会社にとって困難な場合があります。アントンパール社は、お客様の適正製造基準(GMP)及び薬局方の適合をお手伝いいたします。アントンパール社の最先端の包括的な回転式粘度計及び回転式/振動式レオメータ製品群をプロセスの全工程でご活用ください。 

回転式粘度計
回転式
レオメータ
回転式レオメータと
振動式レオメータ

3年保証

  • 2020年1月1日から、アントンパール社の全ての新しい装置*には、3年間の修理サービスが含まれます。
  • お客様は、予期せぬコストを回避し、常に安心して装置をご利用いただけます。
  • 保証に加えて、幅広い追加サービスとメンテナンスオプションもご用意しています。

*使用されているテクノロジーにより、決められた期間ごとにメンテナンスを必要とする装置があります。該当する装置について3年保証をご利用いただくには、定期的にメンテナンスを行う必要があります。

さらに詳しく

ALCOA+

完全なデータインテグリティーへと導いてくれるのが、データ品質に関するALCOA+とその基本原理です。データインテグリティーは医薬品業界で不可欠であり、業界のGMP及びコンプライアンスにおいてデータインテグリティーの重要度が高まっています。

ALCOA+は、印刷物であれ電子データであれ、全てのデータが以下の状態である必要があることを意味します。

帰属性(Attributable): データは正確に記録し、そのアクションをいつ、だれが実行したかを明確にする必要があります。

判読性(Legible): データは、データのライフサイクル全体を通して恒久的に、耐久性のある媒体に記録し、読み取り可能にする必要があります。

同時性(Contemporaneous): データは作業が実行された時点で記録する必要があります。

原本性(Original): データは記録の原本であるか、真正なコピーであると認定を受けている必要があります。

正確性(Accurate): データは、エラーが含まれていたり、変更を文書化する(完全な監査証跡)ことなく編集を実行してはなりません。信頼できるデータである必要があります。

完全性(Complete): データには、そのサンプルで実行した繰り返しのテストや再分析が含まれている必要があります。

一貫性(Consistent): データは、分析の日時を表すタイムスタンプが付いていて、想定される順序で年代順に並べる必要があります。

永続性(Enduring): データは、作業票、実験ノート、または電子媒体上で文書化する必要があります。

可用性(Available): データは、その記録の有効期間を通して、確認や監査のためにアクセスできる必要があります。

アントンパール社がお客様の課題を解決します。詳しくは当社までお問い合わせください。