レーザ回折・ 散乱法を使用した 日焼け止め製品の特性評価

化粧品業界において、ナノおよびマイクロ粒子は製品の性能を高め、消費者の高い期待に応えるために使用されています。粒子径は、肌の感触、質感、色、UV吸収などのさまざまな特性に影響します。さらに、欧州委員会は化粧品の安全性を保証する規制を発表し、このため化粧品の原材料と最終製品の評価を行う必要があります。ここでは、PSAがさまざまな化粧品の粒子径分布を評価するのに適した装置であることを示します。

序論

今日、化粧品業界では、化粧品やフレグランス製品だけでなく、日焼け止めや老化防止成分などの多くの活性成分を含み、同時に複数の効能を提供できる製品を作ることがますます重要になっています。スキンケア化粧品の主な用途としては洗浄効果、水分バランスの調整、皮膚のターンオーバーの促進、有害な紫外線からの保護などがあります。スキンケア化粧品には恒常性を維持する物質が含まれているため、美しく健康な肌に保つことができます(1)。

新しい化粧品を製剤する目的は、広い用途で使用できるだけでなく、安全に塗布できる製品を作ることです。化粧品の安全性を保証し、高水準で健康を守るために、欧州委員会は市場のすべての製品が満たさなければならない特定の基準を含む規制を発表しました。実際にいくつかの予備研究によれば、特定の種類のナノ粒子は、人体組織や細胞培養に対して毒性を示す可能性があります(2)。化粧品の粒子径を調査することで、原材料と最終製品の定性的な特性を明らかにできます。最高の機能を保ちつつ優れた質感と肌触りを示すような新しい製剤を開発する際に、このような評価は極めて重要です。 多くの日焼け止めやフェイスパウダーには、粒子径が100 nm未満の酸化亜鉛または酸化チタンの粒子が含まれています。

化粧品を通してのナノ粒子の吸入や皮膚吸収の可能性については、未だ一致した見解が得られていません。そのため、化粧品メーカーは自社製品に関連する健康リスクを推定するために、粒子径を非常に重要視しています。 さまざまな化粧品に使用される顔料である二酸化チタンは、特定の化学的および物理的特性により、UV光を強力に吸収し皮膚を保護する能力があるため、特に普及しています。これは「減衰等級」の材料とも呼ばれ、塗布すると受けたUV光の強度が低下します。ただし、この減衰等級は二酸化チタンの粒子径に依存し、粒子径が大きくなると効果が低下します(3)。

上記の減衰等級に加えて、粒子径は、質感や肌の感触、色や色合い、滑らかさ、粉末の圧縮成形などの製品の品質にも影響を及ぼします。日焼け止めにおける二酸化チタンの主な欠点は、強力な美白効果です。このことから、皮膚の外観を改善するためにマイカパウダーなどの添加剤を加えることがあります。マイカは無毒のミネラルで、微粉(マイカパウダー)に粉砕されています。マイカはその反射特性により、化粧品の着色添加剤としてよく使用され、真珠のような輝きを残します。

本アプリケーションレポートでは、二酸化チタンパウダー、2種類の日焼け止め製剤、およびマイカパウダーをレーザ回折・散乱法によって評価した事例を紹介します。

 

参考文献

1. Mitsui, Takeo. New cosmetic science. s.l. : Elsevier, 1997.

2. Toxicity of nanoparticles and an overview of current experimental models. Bahadar, Haji, et al., et al. 1, s.l. : Pasteur Institute of Iran, 2016, Iranian biomedical journal, Bd. 20, S. 1.

3. Kobo. Literature. Kobo. [Online] [Zitat vom: 23. January 2019.] www.koboproductsinc.com/Literature.aspx.

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