コンクリートの品質管理

コンクリートの品質管理

コンクリートの性能と耐久性の最適化

コンクリートの品質管理と研究開発のための高度な技術は、安定した性能、耐久性、業界標準への準拠を確保するために重要です。骨格密度、相成分、機械的強度などの主要特性を分析、監視、管理は、さまざまな用途におけるコンクリートの品質と信頼性を高めることに繋がります。

ガスピクノメトリーやin-situ XRDのような高度な技術は、製品組成や製造工程の改良、ばらつきの低減、優れた結果の確保に役立つ正確なデータを提供します。

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コンクリートの品質管理が重要な理由

コンクリートの性能は、原材料、混合工程、硬化条件の相互作用によって決まります。十分なコンクリートの品質管理対策がなければ、強度のばらつきやひび割れ、耐久性の低下といった問題が発生し、コストの増大や構造上の潜在的なリスクにつながる可能性があります。 

コンクリートの品質管理の主な目的は以下の通りです。

構造的完全性の確保

信頼性の高いコンクリートは機械的・環境的ストレスに耐え、構造物の寿命を延ばします。

ばらつきを減らす

品質管理を行うことで、生産バッチ(ロット)全体で一貫した材料性能を達成させることができます。

コストの最適化

品質異常を早期に発見し対処することで、廃棄物を減らし、手戻りを最小限に抑えることができます。

業界標準を満たす

ASTM、EN、その他の認定規格に準拠することで、コンプライアンスと信頼性を確保します。

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コンクリートの品質管理のための高度な方法

骨格密度の分析

骨格密度では、気孔や空隙を除いたコンクリート中の固体材料の密度を測定します。これは、原材料と最終製品の圧縮性を示す重要な指標であり、コンクリートの品質管理に不可欠です。

  • ガスピクノメトリー:この方法では、気体を用いてコンクリート試料の真密度を測定し、正確な骨格密度の計算を可能にします。原料の品質のばらつき、ミキシング工程における品質異常を検出することができます。
  • 応用例:骨格密度分析により、製造バッチ(ロット)間で安定した機械的性能と強度を確保します。このパラメーターをモニターすることで、混合設計を確認し、全体的な品質保証を向上させることができます。
  • 関連規格:
    • BS EN 12390-7:硬化コンクリートの試験 – 硬化コンクリートの密度
    • ASTM C642:硬化コンクリート中の密度、吸収、空隙の標準試験方法

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In-Situ XRDによる相組成分析

コンクリートの相構成は、その機械的特性と熱的特性に大きな影響を与えます。AAC(軽量気泡コンクリート)のような材料では、トバモライトのような相の形成を制御することが、望ましい強度と断熱特性を達成するために極めて重要です。

  • In-situ XRD:この技術は、硬化中の相変態をリアルタイムで追跡し、温度と圧力を制御した条件下での石英の溶解とトバモライトの結晶化に関するデータを提供します。
  • 利点:リアルタイムのモニタリングにより、生産パラメーターを最適化し、ばらつきを抑え、安定した材料特性を確保することができます。
  • 関連規格:
    • ASTM C1365:X線粉末回折分析を用いたポルトランドセメントおよびポルトランドセメントクリンカーにおける相の割合の決定のための標準試験方法

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高圧用途のコンクリートのレオロジーを探る

コンクリートスラリーの流動挙動を理解することは、特に油井のセメント固化、深海建設、CO₂隔離などの高性能用途において、建設資材を最適化するために重要です。最新のコンクリート配合は含水量を減らすことで優れた強度と耐久性を実現しますが、混合、圧送、作業性上の課題が伴います。高圧条件下でのレオロジー分析は、技術者が強度と実用性の両方を目指した配合開発に役立ちます。

高圧レオロジー分析:
この技術では、高圧セルを備えたモジュール式の小型レオメータを使用して、セメントスラリーの流動特性を測定します。圧力とせん断速度を変化させた場合の粘度変化を評価するもので、実際の条件下での材料の性能を予測するために重要な、せん断減粘と増粘の挙動を観察することができます。

メリット:

  • ポンピング性と作業性の向上 - 圧力の変化に伴う粘度の変化を理解することで、スムーズな混合と塗布が可能になります。
  • 材料強度の向上 - レオロジー分析により、低水セメント比で耐久性を向上させ、配合の微調整に役立情報が得られます。
  • 産業用途 - 油井のセメント充填など、過酷な条件下で材料の挙動を正確に把握する必要がある重要な用途をサポートします。

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定期的な性質テスト

高度な分析技術に加え、圧縮強度、加工性、耐久性といった特性の定期的なテストも重要です。これらのテストは、骨格密度と相成分分析を補完し、コンクリートの品質に関する包括的な見解を提供します。

コンクリート製造において品質管理を行うことのメリット

高度な品質管理手段を実施することは、以下の利点があります。 

  • 安定した強度と耐久性:制御された骨格密度と最適化された相組成により、信頼性の高いパフォーマンスを実現。
  • 生産効率の向上:品質異常の早期発見により、廃棄物を減らし、作業遅延を防止します。
  • コスト削減:高品質のコンクリートは、構造物の耐用年数を延ばしながら、維持費や修繕費を最小化します。
  • 環境への影響を改善:最適化されたプロセスにより、材料廃棄による無駄やエネルギー消費を削減します。

コンクリート品質管理の最適化に関するお問い合わせ

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