Polymer characterization

Polymer characterization

Physical characterization of polymer films – how to measure surface, optical, and bulk properties

ポリマーフィルムの用途が梱包、ビニール袋、写真用フィルム、フレキシブル太陽電池の基板、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、回路基板のいずれであっても、その特性を決めるのは常に組成です。ポリマーフィルムが満たすべき要件はその応用分野と同じく多様です。配合の修正や品質試験を行うには、特性の徹底的な研究が必要です。

薄いフィルムとナノフィルム(厚さ1µm未満)の研究

通常、非常に薄い(1µm以下)のポリマーフィルムは複数の層で構成されています。多くの場合、その用途はプリント基板(PCB)やスマートフォン部品、光学レンズの屈折フィルムなどの電気部品の絶縁体や腐食保護です。 湿度やリソグラフィーのセンサ、抗菌性ステントコーティング、ゲノムシーケンシングに使用することもできます。

薄いフィルムとナノフィルムを試験するには、 ナノスクラッチ試験方式 を使用して、1台の装置で薄膜や最終材料の各層の密着性耐スクラッチ性を測定することができます。表面ゼータ電位や関連する表面特性については、流動電位や流動電流を測定することで把握できます。

付着性、耐スクラッチ性、表面ゼータ電位に加えて、ナノ構造も非常に興味深いものです。以下を行うことで、材料の大部分の特性を測定できます。

  • トポグラフィー測定
  • 機械的特性の測定
  • 電気的特性の測定 

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厚いフィルム(厚さ1µm超)の研究

保護フィルムや装飾フィルム(車や白物家電の保護塗料、床ライニング用のエポキシ塗料など)には、主に引っかきによって発生する損傷への耐性が必要です。金属の場合は、塗料によって母材を主に腐食や引っかきから保護します。

効率性と信頼性の最も高い スクラッチ試験方式 を使用して、フィルムの耐スクラッチ性を評価し、正確に定義された条件下でコーティングがどれだけ損傷に耐えられるかを確認します。これらの試験は、フィルムの弾性回復率に関する情報も得られます。

フィルムが温度、湿度、ストレス条件などの特定の環境条件の下でどのように機能するかを調べるには、 動的粘弾性測定 が最適です。最終的な製品品質を向上させ、ユーザーの期待に応えることができます。

フィルムの開発時には、正確な表面仕上げが必要です。だからこそ、ポリマー溶融体特性を評価し、それに応じて加工工程を設計する必要があります。  レオロジー特性評価 では、これらが全て可能です。

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粘着フィルムの研究

接合、溶接、はんだ付け、ねじ込み、締め付けでなく粘着加工が施された工業製品やコンシューマ向け製品が増える中、粘着フィルムの前途は有望です。しかし、粘着フィルムの製造では、液状粘着層による基層コーティングがよく行われ、この液状粘着層は工程中に硬化する必要があります。

接着剤層の硬化速度を測定するには、レオロジー特性評価の利点を利用することで、理想的な製造プロセスの設計を見出すことができます。

粘着フィルムの粘着性が一定温度以下で失われないように、動的粘弾性測定を行い、粘着フィルムが他の表面に付着する温度範囲を測定します。

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最適なポリマー特性評価ソリューションを見つける

薄いフィルムやナノフィルム、厚いフィルム、あるいは粘着フィルムであろうと、その特性を決めるのは常に構成成分です。重要なのは、これらの特性を徹底的に調べることです。これにより、ポリマーフィルムをあらゆる応用分野の具体的な要件に適合させることができます。徹底的な研究は、配合修正と品質管理の前提条件でもあります。  

解決法お客様にとってのメリット装置

製造したフィルムの表面品質が悪い(波形表面)。

粘弾性測定を行って使用済み原材料の粘弾性を評価し、プロセス条件を最適化する。

製造したフィルムの一貫した品質、表面に欠陥や不良がない

熱帯気候、乾燥気候、寒冷気候で包装フィルムの欠陥率の増加がみられる。

フィルムの機械的性能を湿度制御DMA試験で分析する。

気候条件に関係なく、製品を良好な状態で顧客に届けることができる

フィルムが使用中に断裂する。

引張試験を実施して、破断時のひずみまたは応力を評価する。動的粘弾性測定を行い、(実測減衰係数で表される)フィルムの脆さを評価する。

製品の要件に合わせて適切に材料を選択することで製品品質が向上

粘着テープを剥がした後、表面に粘着剤が残る(粘着材層の硬化が不完全)。

温度と時間に応じた粘着剤の経時挙動を調査する。

材料の配合と処理条件の最適化により製品品質が向上

塗料に引っかき傷が付きやすい。

正確に制御されたスクラッチ試験を行って耐引っかき性を測定する。

新しく配合した塗料の耐引っかき性に関するフィードバック

ポリマーフィルムと塗料の引っかき傷を修復する必要がある。

正確に定義されたスクラッチ試験を行い、スクラッチ試験中の深さと回復後の深さを測定する。

様々なフィルムとコーティングの試験を実施して配合を最適化することで、塗料やフィルムの引っかき傷を可能な限り修復する

ポリマーフィルム/塗料に劣化耐性が必要である。

フィルム/塗料のクリープ特性を測定するために、クリープセグメントを使用したインデンテーション測定を行う。様々なpHで表面ゼータ電位を測定し、等電点を求める。

様々な薄膜/塗料をクリープ特性に応じてランク付けし、最適なものを選択できる。ゼータ電位と試料劣化の傾向の間に相関が取れる。

製造したフィルムの光学品質が不十分で、浅い(分散の変動が大きい)。

屈折率測定を様々な波長で実施し、分散を調べる。

製造したフィルムの品質に一貫性がもたらされる。浅いポリマーを新製品の開発段階で選別できる。

薄膜が求める濡れ性を示さない。

表面ゼータ電位を分析して、表面官能基を把握する。

求める濡れ性を持つ薄膜を得るために特性を調整するオプション。

高分子薄膜が抗菌作用を示さない。

様々なpHで表面ゼータ電位を分析し、等電点を把握する。

抗菌作用を示す適切な材料組成の探索。

高分子薄膜と水溶液との相互作用を予測する必要がある。

表面ゼータ電位を分析して、液体分子が表面に吸着するのか、薄膜の成分が溶出するのかを確認する。

実際のサンプルを分析できる表面感度の高い技術へのアクセス。

お客様に当てはまる状況が見つからない場合はアントンパール社がお客様の課題を解決します。詳しくは当社までお気軽にお問い合わせください。 

ポリマー特性評価に関する詳細をエキスパートが解説

ポリマー特性評価分野の学者が日々の研究でアントンパールの装置をどのように使用しているのかご覧ください。このインタビューでは、ポリマーについてより深く理解し、革新的なポリマー製品を開発するためにアントンパールの装置が学術研究でどのように使用されているのかご紹介します。

スクラッチ試験によるシリコンコーティング分析

「薄い部分から厚い部分へのスクラッチ試験を行い、スクラッチの挙動(密着性、凝集性)が異なるということが分かりました。」

James Kohl・サンディエゴ大学教授 

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