分析機器の最前線
での100年

イスタンブールのボスポラス海峡近くにあるトプカプ宮殿は、かつてオスマン帝国のスルタンの本邸として使用されていました。現在は博物館として公開されていますが、地下の地盤変動により壁に亀裂が生じ、海に転落する危険性が生じています。 

トルコの修復当局では、古代の建物を修復し、強化するために、まさに適切なモルタルを必要としていました。

そこで、アントンパールの出番です。

当社のUltrapycガスピクノメーターは、不活性ヘリウムガスを使用して密度を測定するため、試料に影響を与えることなく測定できます。

これにより、新しい資材が歴史的な資材に限りなく近くなるため、歴史的建造物を元の組成のまま保存することができるのです。

アントンパールは、未来を想像するだけでなく、過去を保存することもしています。

誰もが股関節インプラントについて聞いたことがあると思います。しかし、生体医学の研究者は、インプラント材料の表面特性と既存の組織との相互作用をどのように最適化し、患者の快適性を最大限に高めているのでしょうか。軟骨の代用品は、天然の軟骨に近いものでなければならないため、その正確な特性を理解する必要があります。

この科学的革新の最先端では、アントンパールのMCRレオメーターが、回転トライボロジー装置での摩擦測定に使用されており、振動または回転させながら定義された条件下で軟骨を調べています。

この装置では、幅広い摺動速度と法線力での摩擦測定が可能であり、潤滑液、接触圧、試験時間などの個々の変数が軟骨の摩擦に与える影響を系統的に比較することができ ます。

このように、アントンパールは軟骨の超低摩擦を実現するメカニズムに新たな知見を提供し、将来のインプラントの開発に貢献しています。

ウィーン医科大学（バイオメディカル研究センター）のウルスラ・ウィンドベルガー実験外科准教授は、アントンパールのMCR302を用いて、ラクダとウマの血液を比較し、肉体的負荷に対するスタミナの限界を調べました。

この研究結果は、種によって血液の役割は同じでも、血液がいかに異なるかを示しています。自然界には多くのバリエーションがありますが、その理由はまだ解明されていません。ラクダは資源を節約するようにできています。代謝が遅く（代謝は熱を生みます）、血液が早く流れるときに粘性を下げる仕組みがありません。ですから、ラクダに血液や鉄分を補給して商業的な競走動物として使うことは、ラクダの自然なあり方と相反するのです。

興味深いですね。もしくは「だから何？」と思うかもしれません。

実は、ウマやラクダの血液の分析結果を生かして、人間用の薬を最適化する研究ができるのです。さらに、このレオメーターは、研究所の他の研究（例えば、生体繊維材料の強度の測定など）にも利用される予定です。

生体材料は現代医療において重要な役割を担っています。心臓血管移植、歯科インプラント、人工インプラントなどの用途にかかわらず、生体材料は、手術時に人体に適合するかを事前に広範囲に渡ってテストする必要があります。

SurPASS 3はその手助けをします。SurPASS 3は、材料の表面ゼータ電位を分析し、生体工学者がインプラントの表面特性を調整・制御し、最終的に人体に埋め込む際に安全な材料を作ることをサポートします。

毎日触れていて、経済を支えていて、そしてポケットに入るサイズです。これは何でしょう？答えは、紙幣です。

ユーロやドル、人民元など、現代の紙幣には、犯罪者が偽造しにくいように工夫されたセキュリティ機能がたくさん搭載されています。そのひとつが、紫外線で発光する蛍光インクです。きちんと発光させるには、発光の強さ、表面の平滑性、光沢に影響する顔料のサイズを正確に決める必要があります。

そこで活躍するのがLitesizerです。インクの粒子径を分析できるアントンパールの装置は、世界の紙幣が根幹としているセキュリティ対策のテストに役立ちます。

私たちは、何世紀も前の芸術的な名作を見るのが好きです。しかし、美術館がどのように絵画を保存しているのか不思議に思ったことはありませんか？

フランスの美術館では、絵画や彫像の経年劣化を防ぐために、アントンパールの測定装置を近々導入する予定です。研究チームはUNHT³とMCT³を利用して様々な素材を調査し、将来の修復作業に役立てようとしています。

アントンパールの協力により、過去の傑作が未来の美術館に存在し続けることができるのです。